豪徳寺へ

昼下がりに打ち合わせで豪徳寺の編集工学研究所へ。

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編集工学研究所を訪れるのは4度目くらいだろうか。

ある仕事にお声かけいただいてのミーティング。

先日、偶然なのだけれど同研究所所長でもある松岡正剛さんの新著『擬』(春秋社)の書評を「日本経済新聞」に寄稿したところだった。

本に囲まれた部屋で、スタッフの方たちとさて打ち合わせというところに松岡さんがやってきて、しばし雑談に花を咲かせる。話題が縦横無尽にあちこちに接続されて広がってゆく様子は、ご著書と同様で驚くばかり。

これは松岡さんに限らないのだけれど、長年その人の本を読んできたような場合、いざご本人を前にして話をすると、なんだかずっと前から知り合いだったような錯覚に陥る。その人が書いたけっして少なくない量の文章を目から脳に入れているのだから、無理もないとも思う。

あとでスタッフの方から、拙書評について「千夜千冊」の右側にある「日刊セイゴオ「ひび」」で触れていますよと教えていただいた。

見てみたら、今日の訪問についても写真つきで紹介していただいており恐縮至極に存じます。


 

『文学問題(F+f)+』ブックフェア・レポート:MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店篇

『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)のブックフェアが始まりました。

 

今日はMARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店にお邪魔して参りました。

許可をいただいたので写真でちらりとご紹介します。

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(写真1.お隣は『三美スーパースターズ 最後のファンクラブ』(斎藤真理子 訳、韓国文学のオクリモノ、晶文社)が刊行されたパク・ミンギュさんのフェア)

 

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(写真2.向かって左の棚です。パネル製作:幻戯書房)

漱石の『文学論』を中心に、文学について考えたり、遊んだりするための本でぐるりと取り囲みました。

なかには科学史や言語学、TRPGのルールブックなどもあります。

「文学」の多様な側面をご覧いただけるように30冊強を選んでみました。

 

選書とそれぞれの本についてコメントを書いたリーフレット(無料)も配布中ですので、お近くをお通りの際には覗いてみてくださいな。

このとき、『文学問題(F+f)+』のサイン本もつくりました。特別に予約特典もセットにしております。数はとっても限られていますので、ご関心のある方はおはやめにどうぞ。

 

MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店は、私もしばしば訪れる書店のひとつです。

なによりありがたいのは、すべての棚が一つのフロアにあるので、階をのぼりおりすることなく文芸書も法律書も歴史書も哲学書も数学書も科学書も建築書も芸術書も映画書も料理書も語学書もコンピュータ書も社会学書も見て歩けるところ。

倉庫ですかと言いたくなるような品揃えでどの棚も見飽きません。

 

私はよく、原稿を書いたり、アイデアを発想したいときなどには、テーマや疑問を頭に放り込んで同店をぶらぶらしています。そうすると、いろいろなものが棚のほうから目に飛び込んできて、考えるヒントもたくさんもらえるのでした。これは物理的に並べられた書棚のあいだを歩き回るからこそです。環境としての書物ですね。

『文学問題(F+f)+』を書いているあいだも、しばしば同店の文芸書コーナーを訪れて、未読の文学論書や批評を教えてもらいました。目下は、文法や天文学について考えていて、助けてもらっています。

ただし、気をつけないと、訪れるときにはまるで予定していなかった本を一山買って帰ることになったりもします。

これはどう考えても、それぞれの棚を担当している方の工夫の結果でありましょう。だってほら、その気がなかった人が、棚を眺めているうちに「おや?」となって、「ほうほう」と手にとり、「ふーむ」と中をぱらぱら覗いて、「ここで手に入れないと二度と出会えないかも」なんて言いながら小脇に抱えるわけですから。

本を手にとり始めると頭が真っ白になって、次に我に返るのはレジでお会計を済ませてコーヒーチケットを1、2枚いただくときだったりします(大丈夫か)。

――と、書きながら思い出しましたが、いまはビックロになっている新宿のビルにも、かつてジュンク堂書店があって、よく吉川浩満くんと一緒にミーティングの前後、遊びに行っておりました。

行けばなにかと出会えるMARUZEN&ジュンク堂書店です。

 

なお、『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)刊行記念ブックフェア「文学とは感情のハッキングである」は、以下の3店で開催中です。

 

・MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店

・青山ブックセンター六本木店

・ブックファースト新宿店

 

それぞれ選書を変えていますので、リーフレットも見比べていただければ幸いです。

また訪れましたらレポートしたいと思います。

ご協力いただいた書店と書店員のみなさまに感謝の気持ちを込めて。

 

「日本経済新聞」に松岡正剛『擬』書評を寄稿しました

「日本経済新聞」2017年11月25日朝刊に、松岡正剛『擬 MODOKI――「世」あるいは別様の可能性』(春秋社)の書評を寄稿しました。

 風が吹いたからといって桶(おけ)屋が儲(もう)かるとはかぎらない。

 この、巻頭に置かれたユーモラスな諺(ことわざ)モドキが本書全体を象徴している。「こうなればそうなる、そうなればああなる」と理屈では考えられても、事業も人生もたいていそうは問屋が卸さない。合理的な予想を集めて未来がぴたりと分かるなら誰も苦労はしない。むしろ人や物事の組み合わせから予期せぬことが生じるのが常であろう。

 つづきは下記ウェブページでどうぞ。

(全文を読むには会員登録が必要です)

 

同紙書評欄、5度めの登場となりました。

「「社会のルールの変化」に関わる脳機能ネットワークの一端を解明」

★「【脳科学研究所】「社会のルールの変化」に関わる脳機能ネットワークの一端を解明――英国科学雑誌に論文を発表」(玉川大学)

玉川大学脳科学研究所(東京都町田市/所長:小松 英彦)の松元健二教授と蓬田幸人特別研究員らの研究グループは、人々の意識が変わることで「社会のルール」が変化することに関わる脳内ネットワークの働きを、脳機能イメージング法を用いた実験により世界で初めて明らかにしました。この研究成果は、2017年11月24日(金)午後7時(日本時間)に英国の科学雑誌“Scientific Reports”に掲載されます。

(下記リンク先ページより)

 

 

蒐書録#032:辻山良雄『365日のほん』

★辻山良雄『365日のほん』(河出書房新社、2017/11)

東京は荻窪の本屋さん「Title」の店主、辻山良雄さんによる楽しい本の本。 

 

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(写真1.表紙。イラストは中山信一さん、デザインは漆原悠一さん(tento))

 

辻山さんは、Titleの開店(2016年1月)以来、ウェブサイトの「毎日のほん」というコーナーで1冊の本を紹介しておられます。twitterでもこんなふうに。

 

ご覧ように、紹介文は一目で読めるくらいの長さでありながら、その本の勘所をとらえて読みたい気持ちをそそります。

ウェブの軽やかなデザインもあいまって、とても気軽に何気なくやっているように見えるかもしれません。でも、自分でやるとなったらとっても大変なことだと想像しています。

長年リブロにお勤めになって、それはたくさんの本を手と目にし、お客さんに手渡していた目利きの辻山さんだからこそできることです。

 

このたび刊行された『365日のほん』は、そんな「毎日のほん」を集めて1冊にしたものなのかな、と思っていたらそうではなくて、書き下ろしとのこと!

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(写真2.10個の分類)

とりあげられる本は、それぞれが「考える本」「社会の本」「くらし・生活」「子どものための本」「ことば、本の本」「文学・随筆」「旅する本」「自然の本」「アート」「漫画」という10種類のアイコンで表現されています。ものによっては、1冊の本に二つのアイコンがついている場合も。

 

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(写真3.『文体の科学』のようなややこしい本も辻山さんにかかればこの通り)

上でもちょっぴり述べましたが、本を手短に紹介するのは、実はそんなに簡単なことではありませぬ。しかも、内容を的確にとらえるのはもちろんのこと、自分の等身大の言葉で、実感を交えて語るとあってはなおのこと。

穏やかに本について語る辻山さんの文章に触れていると、お茶をいれてほっと一息つくような気分にもなります。

本は、春から始まって冬へと並べられていますが、もちろんどこから読んでも楽しめます。

 

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(写真3.巻末についている本の索引)

 

そうそう、11月25日から12月24日まで、「365日のほん展」と題して、同書で紹介した本がTitleに揃うようですよ。

 

 

 

『文学問題(F+f)+』予約の締切とブックフェア開催予定について

ご機嫌いかがお過ごしでしょうか。

わたくしが住む辺りは、この数日で急に寒くなりまして、キーボードを打つ指がかじかむようになりました。

さて、何度も同じようなお知らせをして恐縮ですが、『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)がそろそろ書店にも並びます。早ければ11月24日くらいからご覧いただけるかもしれません。今回はおそらく文芸書や批評書などが並ぶ棚に置かれるかと思います。

 

ご予約いただいた方には22日から届き始めているようです。

twitterでお見かけしたつぶやきをいくつかご紹介してみます。

(気恥ずかしさをぐっとこらえて)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年前と違って、多くの人が写真も添えるケースが増えたなあと思います。

そういえば、写真をあまり撮らなかった私でさえも、iPad Proを使い始めてから、少し写真を撮る習慣ができました(下手もいいところなんですけれどね)。

 

さて、その予約についてのお知らせです。

予約特典のお申し込みは、2017年11月24日24:00で締切となります。

幻戯書房にメールか電話でお申し込みいただきますと、本とともに特典の小冊子『メイキング・オブ・『文学問題(F+f)+』』(32ページ)をお送りいたします。

詳しくは下記リンク先の「幻戯書房NEWS」をご覧くださいませ。


それから、もう一つ新しいお知らせがございます。

『文学問題(F+f)+』の刊行を記念して、三つの書店でブックフェア「文学とは感情のハッキングである」が開催される予定です。

★MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店

★青山ブックセンター六本木店

★ブックファースト新宿店

漱石の『文学論』の隣に並べて読むといっそう楽しめる本を多方面から約30冊選んでみました。いわゆる文学に関わる本だけでなく、TRPG(ロールプレイングゲーム)のルールブックや『幻の惑星ヴァルカン』(亜紀書房)のような科学書なども入れてあります。その組み合わせもお楽しみいただけたら幸いです。

また、簡単なものではありますが、ブックフェア用のリーフレットも作成しました。無料で配布しておりますので、ぜひお立ち寄りください。(数に限りがありますのでお早めにどうぞ)

なお、選書内容は三つのお店それぞれで少しずつアレンジしてあります。その違いはリーフレットにも反映されておりますので、ご興味のある方はそれぞれのお店を訪れるとちょっと楽しいかもしれません。

 

『文学問題(F+f)+』の内容やページ見本については、下記の記事に書きましたのでご覧あれ。どうぞよろしくお願い申し上げます。

単著のあゆみ

書いている当人以外の人にはどちらでもよいシリーズ、今回は「単著のあゆみ」をお送りします。(え? 毎回どちらでもよい話しかしてないじゃないかですって? あはは)

 

今回の『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)は、単著として6冊目です。

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(写真1.右から左へ向かって新しいもの)

 

6冊の書誌は次のとおりです。

★『デバッグではじめるCプログラミング』(翔泳社、2008)

★『コンピュータのひみつ』(朝日出版、2010)

★『文体の科学』(新潮社、2014)

★『世界が変わるプログラム入門』(ちくまプリマ-新書、筑摩書房、2015)

★『「百学連環」を読む』(三省堂、2016)

★『文学問題(F+f)+』(幻戯書房、2017)

 

こうして並べてみると、半分はコンピュータとプログラムの本。残り半分は人文系の本ですね。コンピュータのほうは解説する本。人文系は読み解く本という感じでしょうか。

また、プログラムの本にしても、文体や「百学連環」や『文学論』を読み解く本にしても、どうやら結果ではなく物事の過程や構造について考えたり書いたりするのが好きなようです。

 

目下は来年以降に刊行する予定の単著、共著、共訳書の準備を進めております。

引き続き、物事を理解したり、楽しんだりするきっかけや手助けとなるような本をこしらえて参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

以上、だからなんだってなエントリーでした。

(以下、書影を並べます)

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