辞書を用いない教師なし機械学習による翻訳の技術について。
文中で言及されているScience誌の記事はこちら。
『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)のブックフェア「文学とは感情のハッキングである」のレポート第2弾です。
前回はMARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店の様子をお目にかけました。
本日は、青山ブックセンター六本木店にお邪魔してきました。
許可をいただいて撮影した写真を何枚か。
(写真1)
本ごとにコメントもカードで展示してくださっています。
この右手に文学書コーナーが広がっています。
(写真2)
角度を変えてもう一枚。下のほうにはポーランドBOOKフェアで、先頃全巻完結した「レム・コレクション」(国書刊行会)が見えますね。
レムといえば、『文学問題(F+f)+』でも「理論」について検討するくだりで、レムによるトドロフ批判の一文を脚注に引用しました。図らずも隣接して置かれるとは、うれしい偶然です。引用した文章は『高い城・文学エッセイ』の巻に入っています。
(写真3)
リーフレットです。写真ではよく見えないかもしれませんが、リーフレットの下のほうに「青山ブックセンター六本木店」と店名を入れました。
このたびのブックフェアは目下3つの書店で開催中で、各店ごとに30冊前後を選んでおります。24冊ほどは共通の本で、残る書目はお店ごとに内容を変えてみました。
同店のtwitterアカウントでも、こんなふうにアナウンスしてくださっています。
こんにちは。山本貴光さん『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)が入荷しました。併せまして山本貴光さん選書による刊行記念フェア『文学とは感情のハッキングである』も開催中です。特別なフリーペーパーも配布しています。数に限りがあるのでお早めにどうぞ。 pic.twitter.com/w4gK5i3XZy
— 青山ブックセンター六本木店 (@ABCROPPONGI) 2017年11月25日
青山ブックセンター六本木店には、ほぼ毎週足を運んでいます。
というのも、目下プロ契約というものを結んで勤務中のゲーム会社・モブキャストが六本木にあって、週に二度ばかり通っているのでした。
定期的に訪れる場所の近くによい書店があるのはたいへんありがたいことです。
モブキャストでの仕事が終わって帰る前などに立ち寄って、棚から棚へと眺めているうちに1日パソコンに向かってものを書いたり考えたりした疲れもどこへやら。
青山ブックセンターは、人文書や科学書の棚はもちろんのこと、デザイン、建築、美術、写真、映画、音楽、漫画、料理などの方面も充実しているのが特徴です。他にもサブカルチャー、ビジネス書、語学書、洋雑誌、文具などがバランスよく置かれている印象です。このところ使い続けているモレスキンのノートもあるので、1冊使い終わってしまったときなどもすぐ次が手に入ってありがたいのです。
また、入り口のドアをくぐってすぐのところにある新刊台は、ほとんどいつも「これは読まねばだわ」と思っている本ばかりが並んでいて、なろうことなら「この棚にあるのを全部ちょうだい」といって買って帰りたくなり、たいへんに困ります(うれしい悲鳴)。
そうそう、それからこれはぜひとも書かねばと思うのですが、文庫の並べ方がユニークで、普通なら新刊書で固めてありそうな目立つ場所に、新刊以外の文庫も置かれています。はじめのうちは新刊書だと思いこんでおりました。
それで、「おや、これは他の書店では見かけないなあ。面白そう」だなんて買って帰って読んでみると、既刊の本だったりするのを何度か経験してからようやく、「あ、おすすめを選書しているのね!」と気づいた次第です。考えてみれば、新刊だけを新刊っぽく並べるより、既刊書と組み合わせたほうがお互いのためにもよいですね。
というわけで、そのことに気づいてからは、文庫の棚もよく見るようになりました。
今日もなんのかんのといって、袋ひとつ分の本と雑誌を手にした次第です(レジにあった『宝石の国』最新刊も含む)。
表参道にある本店ともども大変お世話になっている書店のひとつです。
いつもありがとうございます。
昼下がりに打ち合わせで豪徳寺の編集工学研究所へ。
編集工学研究所を訪れるのは4度目くらいだろうか。
ある仕事にお声かけいただいてのミーティング。
先日、偶然なのだけれど同研究所所長でもある松岡正剛さんの新著『擬』(春秋社)の書評を「日本経済新聞」に寄稿したところだった。
本に囲まれた部屋で、スタッフの方たちとさて打ち合わせというところに松岡さんがやってきて、しばし雑談に花を咲かせる。話題が縦横無尽にあちこちに接続されて広がってゆく様子は、ご著書と同様で驚くばかり。
これは松岡さんに限らないのだけれど、長年その人の本を読んできたような場合、いざご本人を前にして話をすると、なんだかずっと前から知り合いだったような錯覚に陥る。その人が書いたけっして少なくない量の文章を目から脳に入れているのだから、無理もないとも思う。
あとでスタッフの方から、拙書評について「千夜千冊」の右側にある「日刊セイゴオ「ひび」」で触れていますよと教えていただいた。
見てみたら、今日の訪問についても写真つきで紹介していただいており恐縮至極に存じます。
『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)のブックフェアが始まりました。
今日はMARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店にお邪魔して参りました。
許可をいただいたので写真でちらりとご紹介します。
(写真1.お隣は『三美スーパースターズ 最後のファンクラブ』(斎藤真理子 訳、韓国文学のオクリモノ、晶文社)が刊行されたパク・ミンギュさんのフェア)
(写真2.向かって左の棚です。パネル製作:幻戯書房)
漱石の『文学論』を中心に、文学について考えたり、遊んだりするための本でぐるりと取り囲みました。
なかには科学史や言語学、TRPGのルールブックなどもあります。
「文学」の多様な側面をご覧いただけるように30冊強を選んでみました。
選書とそれぞれの本についてコメントを書いたリーフレット(無料)も配布中ですので、お近くをお通りの際には覗いてみてくださいな。
このとき、『文学問題(F+f)+』のサイン本もつくりました。特別に予約特典もセットにしております。数はとっても限られていますので、ご関心のある方はおはやめにどうぞ。
山本貴光さんが来店され、新刊「文学問題(F+f)+」(幻戯書房)のサイン本を作ってくださいました。サイン本に限り、予約特典「メイキングオブ(F+f)+」が封入されています(ありがとうございます)。
— MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店 (@junku_shibuya) 2017年11月27日
予約し損ねた方、チャンスです!今回限りです。
数に限りがありますのでお早めにどうぞ。
MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店は、私もしばしば訪れる書店のひとつです。
なによりありがたいのは、すべての棚が一つのフロアにあるので、階をのぼりおりすることなく文芸書も法律書も歴史書も哲学書も数学書も科学書も建築書も芸術書も映画書も料理書も語学書もコンピュータ書も社会学書も見て歩けるところ。
倉庫ですかと言いたくなるような品揃えでどの棚も見飽きません。
私はよく、原稿を書いたり、アイデアを発想したいときなどには、テーマや疑問を頭に放り込んで同店をぶらぶらしています。そうすると、いろいろなものが棚のほうから目に飛び込んできて、考えるヒントもたくさんもらえるのでした。これは物理的に並べられた書棚のあいだを歩き回るからこそです。環境としての書物ですね。
『文学問題(F+f)+』を書いているあいだも、しばしば同店の文芸書コーナーを訪れて、未読の文学論書や批評を教えてもらいました。目下は、文法や天文学について考えていて、助けてもらっています。
ただし、気をつけないと、訪れるときにはまるで予定していなかった本を一山買って帰ることになったりもします。
これはどう考えても、それぞれの棚を担当している方の工夫の結果でありましょう。だってほら、その気がなかった人が、棚を眺めているうちに「おや?」となって、「ほうほう」と手にとり、「ふーむ」と中をぱらぱら覗いて、「ここで手に入れないと二度と出会えないかも」なんて言いながら小脇に抱えるわけですから。
本を手にとり始めると頭が真っ白になって、次に我に返るのはレジでお会計を済ませてコーヒーチケットを1、2枚いただくときだったりします(大丈夫か)。
――と、書きながら思い出しましたが、いまはビックロになっている新宿のビルにも、かつてジュンク堂書店があって、よく吉川浩満くんと一緒にミーティングの前後、遊びに行っておりました。
行けばなにかと出会えるMARUZEN&ジュンク堂書店です。
なお、『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)刊行記念ブックフェア「文学とは感情のハッキングである」は、以下の3店で開催中です。
・MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店
・青山ブックセンター六本木店
・ブックファースト新宿店
それぞれ選書を変えていますので、リーフレットも見比べていただければ幸いです。
また訪れましたらレポートしたいと思います。
ご協力いただいた書店と書店員のみなさまに感謝の気持ちを込めて。
「日本経済新聞」2017年11月25日朝刊に、松岡正剛『擬 MODOKI――「世」あるいは別様の可能性』(春秋社)の書評を寄稿しました。
風が吹いたからといって桶(おけ)屋が儲(もう)かるとはかぎらない。
この、巻頭に置かれたユーモラスな諺(ことわざ)モドキが本書全体を象徴している。「こうなればそうなる、そうなればああなる」と理屈では考えられても、事業も人生もたいていそうは問屋が卸さない。合理的な予想を集めて未来がぴたりと分かるなら誰も苦労はしない。むしろ人や物事の組み合わせから予期せぬことが生じるのが常であろう。
つづきは下記ウェブページでどうぞ。
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同紙書評欄、5度めの登場となりました。