「職業プログラマーは独学でプログラミングを学んでいる」

MIT テクノロジーレビューのニューズラインの記事から。

調査によると、ソフトウェア開発者の約74%は、少なくとも部分的には独学で学んでいるという。 新しい言語やフレームワーク、ツールなど、常に新しい技術が出てくる業界においては独学が必須だからだ。大学の学位レベルで獲得した知識はあまり長続きするものではない。

学校でプログラムを教えてみて思ったのは、学ぶ人に「プログラムでこれをつくってみたい」という動機があるかどうかによって、習得の度合いが随分違いそうということでした。とはいえこれは狭い観測範囲のことなので、一般的にどうなのかは分かりませんけれど。

 

 

連載「マルジナリアでつかまえて」第5回

『本の雑誌』2018年2月号(本の雑誌社)に、「マルジナリアでつかまえて」第5回を寄稿しました。

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「マルジナリアンの受難」と題して、いいことづくめのマルジナリア唯一の(?)難点について書いております。また、そのモンダイに対する対処法も。

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同号の特集は「近未来へ跳べ!」。

 

連載「プロムナード」(「日本経済新聞」夕刊、毎週火曜日)

「日本経済新聞」夕刊の「プロムナード」コーナーで、1月から6月まで連載を担当いたします。

 

同コーナーは、月曜日から土曜日まで、曜日ごとに執筆者が決まっておりまして、こんな具合です。

月曜=佐伯泰英(作家)
火曜=山本貴光(ゲーム作家)
水曜=村田沙耶香(作家)
木曜=東多江子(脚本家)
金曜=東浩紀(批評家)
土曜=望月京(作曲家)

わたし以外がすごいメンバーでいささかの不安を禁じ得ませんが、楽しんでいただけるようなエッセイを書いて参りたいと念じております。

 

1月9日に第1回が掲載される予定です。

 

どうぞよろしくお願い申し上げます。

ウェブ公開「来たるべき文学のために――『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)刊行を機に」

ご機嫌いかがお過ごしでしょうか。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

先だって「週刊読書人」に掲載された服部徹也さんとの対談「来たるべき文学のために――『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)刊行を機に」が、同紙ウェブサイトでも公開になりました。

1月1日より、全6回に分けて更新されます。

目下は第2回まで更新されました。

最終第6回は、紙面には載らなかったボーナストラックとなっておりますので、同紙でお読みいただいた方にもお楽しみいただけるかと思います。

また、服部さんによる論文の多くは、こちらからダウンロードしてお読みいただけます。

 

2018年の展望

2017年の回顧につづいて2018年の展望をば。

 

A. 書く

目下準備中で、遠からぬ刊行に向けて作業中の本に次のものがあります。

(以下、書名はすべて仮題)

 

★三宅陽一郎+山本貴光『ゲームで考える人工知能入門』(ちくまプリマー新書)

★マリー・セットガスト『先史学者プラトン』(吉川浩満との共訳、朝日出版社)

★アンソニー・グラフトン+ダニエル・ローゼンバーグ『時間のカルトグラフィ』(吉川浩満との共訳、フィルムアート社)

 

それに続いて単著としては以下を準備中です(順不同)。

 

★『私家版日本語文法小史』

★『ゲーム原論』

★『サイエンス・トランスファー・スタイル』

★『科学の文体』

★『記憶メンテナンスのすすめ』

★『「民主主義」を読む』

★『遊びとはなにか』

★『思想の思想史』

 

共著としては

 

★『生き延びるための人文』(吉川浩満との共著)

★『資本主義と民主主義』(吉川浩満との共著)

★『続・ゲームの教科書』(馬場保仁との共著)

 

などをそろそろなんとかしたいところ。

 

また、以下の三つの連載もつづきます。

 

★「人文的、あまりに人文的」(吉川浩満と共著、ゲンロンβ)

★「人生がときめく知の技法」(吉川浩満と共著、webちくま)

★「マルジナリアでつかまえて」(『本の雑誌』)

 

このうち「人生がときめく知の技法」と「マルジナリアでつかまえて」は連載終了後、書籍化の予定です。

2018年はこれらに加えて、新たに二つの連載にとりくみます。

その他、文学、人文学、天文学、教育にかかわる企画にも参加して目下それぞれ準備中です。

 

B. 話す

いまのところ予定されている対談・講演は次のとおりです。

★『人文的、あまりに人文的』な、2017年人文書めった斬り!
 日時:01/05(金)19:00-21:30
 場所:ゲンロンカフェ
 相手:斎藤哲也+吉川浩満

 

★安田登さん『能』刊行記念対談
 日時:01/21(日)19:00-21:001
 場所:B&B
 相手:安田登(能楽師)

 

★じんぶん大賞2018関連イベント
 日時:01/24(水)
 場所:紀伊國屋書店新宿本店
 相手:斎藤哲也+吉川浩満

 

C. 教える

教育方面では、ミームデザイン学校(寄藤文平さんとの講義が残り2回)、東京ネットウエイブ別科(高校課程)、よよこーで講義を行います。

 

D. つくる

ゲーム方面では、ひきつづきモブキャストとプロ契約を結んで企画と育成にかんする仕事を進めて参ります。

 

個人的にアイデアをあたためているゲームもこしらえたいのですが、さて、時間をどう捻出できますか。

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服部徹也+山本貴光「来たるべき文学のために ――『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)刊行を機に」

過日、夏目漱石『文学論』をご研究の服部徹也さんと、新宿区立漱石山房記念館で対談をしました。

 

「来たるべき文学のために ――『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)刊行を機に」と題して『文学論』と拙著について話しあっております。

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服部さんは『文学論』にかんして以下のような論文も発表されており、目下は博士論文の執筆を終えられたところです。

(以下の論文の多くは、下記リンク先でダウンロードできます)

 

・「漱石における「間隔的幻惑」の論理――『文学論』を精読し『野分』に及ぶ――」

・「漱石『文学論』成立の一側面――中川芳太郎筆草稿「第五編 集合Fの差異」を視座として――」

・「帝大生と『文学論』――漱石講義の受講ノート群をめぐって――」

・「《描写論》の臨界点――漱石『文学論』生成における視覚性の問題と『草枕』――」

・「「不都合なる活版屋」騒動からみる漱石『文学論』――単行本の本文異同調査を中心に――」

・「文学の科学への欲望―成仿吾の漱石『文学論』受容における〈微分〉―」

・「『英文学形式論』講義にみる漱石の文学理論構想――「未成市街の廃墟」から消された一区画――」

・「張我軍訳・漱石『文学論』とその時代ーー原著本文異同調査を通した翻訳底本推定を視座にーー」

 

私も『文学問題(F+f)+』を書く過程で、服部さんの論文を発見して、興味ある問題設定と精緻な論の組み立てに触れ、「現代にも『文学論』について、このような研究をしている人がいるのか」とおおいに勇気づけられました。『文学論』についてさらに進んで検討してみたい読者には、いずれもたいへん有益な論文です。

 

そこでこのたび、「週刊読書人」編集部から拙著についての対談をしてはいかがかとお声かけいただいて、真っ先に服部徹也さんのお名前を思い浮かべたのでした。博士論文提出前の大変な時期にもかかわらず、快諾をいただいてこのたびの対談となった次第です。

 

この対談の模様は、12月29日発売の「週刊読書人」2018年1月5日号(12月29日号との合併新年特大号)に掲載予定です。どうぞお楽しみに。