「Web河出」にユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』(上下巻、柴田裕之訳、河出書房新社)の書評を寄稿しました。
「サピエンスともあろうものが」と題して、同書がどのような問題意識で書かれたものかについてご紹介しています。ここを押さえると面白く読めるというポイントを検討してみようという次第。
「Web河出」にユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』(上下巻、柴田裕之訳、河出書房新社)の書評を寄稿しました。
「サピエンスともあろうものが」と題して、同書がどのような問題意識で書かれたものかについてご紹介しています。ここを押さえると面白く読めるというポイントを検討してみようという次第。
東浩紀編『ゲンロン9』(ゲンロン)に「ゲーム原論序説」を寄稿しました。
同号は、『ゲンロン』第Ⅰ期の終刊号であり、「現代日本の批評」「ロシア現代思想」「ゲームの時代」といったこれまで展開されてきた各特集のしめくくりにもなっています。
拙論は、このあと執筆予定の『ゲーム原論(仮題)』のスケッチを示すものです。
どちらかというと抽象的に書いた本文に対して、映画の副音声のように脚注で具体的な解説などもしております。
安田登さんとの対談「能が知りたい!「古典の森へようこそ」」が「Webでも考える人」(新潮社)で公開されました(1カ月前に……。ツイッターではお知らせしておきながら、こちらに記録するのを忘れていたのでした)。
全3回に分けて掲載されています。
第1回「スローリーディングのすすめ」
第2回「漱石と芭蕉と」
第3回「ゲーム能ということで」
この対談は、2018年のはじめに下北沢の本屋B&Bで行った対談をもとに、後に行った対談を重ねたものです。
今年は、安田さんの『能』(新潮新書)と『身体感覚で『論語』を読みなおす。』(新潮文庫)それぞれの刊行を記念した対談で二度、お話ししたのでした。
2018年11月11日(日)は、印刷博物館で「天文学の文体」と題した講演をしました。お越しいただいたみなさま、ありがとうございました。
これは同館で開催中の「天文学と印刷」展の関連イヴェントです。
もし、私たちが天文学や自然科学などの知識を一切持っていなかったら、太陽や月の動きを、夜空の星を見て、これをなんと捉えるか。そういう問いかけから始めました。
例えば、毎朝東から登って西へと沈んでゆく太陽を見たら、理屈はともかくとして、「太陽が動いている」と感じるでしょう。これを見たままに理解しようとすれば、いわゆる天動説となります。私たちは、知識として地動説が正しいことを知っていますが、経験や直感とは必ずしも一致していないわけです。
同じように、太陽や月や星を肉眼で見て、その正体はなんだと考える場合、どういう発想になるか。そんなことを考えてみたいと思ったのです。
そこで、虚心坦懐に先哲たちが、天体現象をどのように見て、記述したのかを眺めてみようという次第。アリストテレス『天について』、コペルニクス『天球回転論』、ガリレオ・ガリレイ『星界の報告』を材料として、そこになにがどのように書かれているかという文体の観点から読んでみました。また、彼らが文章に添えた図もたいへん重要な役割を担っていました。その図はなにを表しているのかを、これもまた検討してみたのでした。
以下、印刷博物館のツイッターアカウントが投稿した当日の様子を伝えるツイートを引用してみます。
山本貴光さんの講演会始まりました! pic.twitter.com/ynLuvcwSHl
— 印刷博物館 PrintingMuseum (@PrintingMuseumT) November 11, 2018
ウォームアップを終えて本論へ。知識を持ってることを一旦忘れて、天文を自分なりに捉え直しましょう。という山本さんの合図とともに、みなさんに考えてもらっています。
— 印刷博物館 PrintingMuseum (@PrintingMuseumT) November 11, 2018
まずは古代ギリシアのアリストテレスは、どのように捉えようとしていたのか、ということを彼の文章から読み解こうとしています。 pic.twitter.com/zCs1kmxHay
次のお題はコペルニクスの『天球の回転について』。 pic.twitter.com/ScrukUyril
— 印刷博物館 PrintingMuseum (@PrintingMuseumT) November 11, 2018
同展の図録に「天文学の文体」というエッセイを寄稿しております。
「天文学と印刷」展は、2019年01月20日まで開催中。
⇒印刷博物館 > 同展ページ
https://www.printing-museum.org/exhibition/temporary/181020/
2006年に刊行したジョン・R・サール『MiND――心の哲学』(山本貴光+吉川浩満、朝日出版社)が、このたびちくま学芸文庫から再刊されました。
旧版も長く読んでいただいておりましたが、しばらく品切れが続いていたところ、筑摩書房の田所健太郎さんから連絡を頂戴して、文庫化の作業をはじめたのは今年の夏頃だったでしょうか。吉川くんともども訳文を見直して調整を加えました。
朝日出版社版の編集は、赤井茂樹さん、今回のちくま学芸文庫版は田所健太郎さんです。
サールといえば、『社会的世界の制作――人間文明の構造』(三谷武司訳、勁草書房)もつい先日翻訳刊行されたところでした。
下の書影は、吉川くんによるツイートを拝借しています。
出来! 2018/11/8発売!|「唯物論も二元論も、心をめぐる従来理論はそもそも全部間違いだ! その錯誤を暴き、あらゆる心的現象を自然主義の下に位置づける、心の哲学超入門」|ジョン・R・サール『MiND(マインド) 心の哲学』山本貴光、吉川浩満訳、ちくま学芸文庫 https://t.co/vxV1G2pMP3 pic.twitter.com/wU4LmLGjob
— 吉川浩満 (@clnmn) November 3, 2018
この機会にお手にとっていただければ幸いです。
「とある蔵書のインデックス――索引術で深める読書の技法」と題して、『投壜通信』(本の雑誌社)の刊行を記念したイヴェントを行います。
同書編集担当の高野さんとの打ち合わせで、私が読書をしながら索引をつくったり拡張していることを話したら、それでイベントやりましょうよ! といってやることになったのですが、果たして参加者はいらっしゃるのであろうか……
いままであまり索引に注目したことがなかったという方は、本とのつきあい方が変わるかもしれません。よかったら遊びに来てくださいな。
場所:ブックファースト新宿店 地下2階 Fゾーンイベントスペース
日時:10/26(金)19:00 - 21:00(終了予定時間)
『投壜通信』については、橋本麻里さんが「産経新聞」9月29日号「本ナビ+1」コーナーで、『世界図書館遺産 壮麗なるクラシックライブラリー23選』とともに紹介してくださいました。図書館に関する本との組み合わせもうれしゅうございます。ありがとうございます。
2018年10月10日(水)はHMV&BOOKS SHIBUYA店で、円城塔さんと『文字渦』&『投壜通信』刊行記念の対談でした。
話題は、書店の歩き方や本の読み方から、日本語の来し方行く末、本居宣長に啄木の『ROMAZI NIKKI』、プログラミングや小説の書き方まで。
それにしても円城さんの話は、マジメな話をする最中でも、要所要所で笑いのツボをついてくるので水を飲むタイミングに困ります。
『文字渦』&『投壜通信』刊行記念 円城塔×山本貴光対談、先ほど終了しました。円城さん、山本さん、そしてご来場下さった皆様ありがとうございました。最後に記念写真をパチリ。お二人の息が合ったお話、愉しかった……! pic.twitter.com/P94DVrVdWw
— HMV&BOOKS SHIBUYA (@HmvBooksShibuya) October 10, 2018
対談中で触れた円城さんと別の機会に行った対談(非公開)は、『本の雑誌』次号(11月発売予定の号)に掲載される予定です。
また、会場でお配りした「ある日のオールタイムベスト――投壜コレクション」は、近日始まる『投壜通信』ブックフェアで配布する予定のペーパーです。