文具「ペーパーラップノート」

年表をつくるのが好きだ。

ノートやパソコンにいろんな年表をつくっている。いまは公開していないけれど、かつて「哲学の劇場」というウェブサイトを吉川浩満くんとつくっていろいろな文章を掲載するなかに、文化と思想の年表というコーナーもあった。

年表はできたものを使うというよりも、つくること自体が頭の整理になる気がしている。いろんな場所から日時と出来事を拾ってきて、ひとつの場所に並べてゆく。「おお、これはここに入るのか」とは、なんだかジグソーパズルのようだが、そんなことでもなかったら並べてみることもなかったかもしれないような出来事の配置を確かめる作業でもあるのだ。

年表について、いつかやろうと思いながら実現していないことがある(そんなことを言ったら、アイデアだけで実現してないことは山ほどあるのだけれども)。

たくさんの紙をつなげて一本の巻物として年表をつくるということをやりたい。そう思って、これはと思う紙を選んで、なるべく小さな字を書けるようにとできるだけ先の細いペンも選んである。だが、まだ製作にかかれていなかった。

先ほどtwitterを眺めていたら、面白いものが目に入った。

https://www.watch.impress.co.jp/img/ipw/docs/1166/755/img2_s.jpg

(画像は下記ウェブページからリンク)

サランラップではない。「ペーパーラップノート」といって、紙を必要なだけ引き出して使えるノートなのだという。つまり、紙の幅を用途に合わせてカットできるというアイデアだ。

「これだ」と思った。

そう、これをカットせずに使えば、そのまま巻物ではないか。どうも15メートルほどあるらしい。2本つなげば30メートル、4本で60メートル、8本で120メートルである。

長い紙のことを想像するだけでワクワクしてきた。

まずは入手してみよう。

 

 

講義「インターフェイスを考える――「あいだ」で何が起きている?」

先日、1月19日にミームデザイン学校で講義をしました。

同校にはブックデザインコースとデザインベーシックコースという二つのコースがあります。また、両コースの学生と卒業生が受けられる共通講座が何回かありまして、私の担当はそのうちのひとつです。

今回は「インターフェイスを考える――「あいだ」で何が起きている?」と題して、人間と本のあいだで何が起きているかについて検討しました。

本や書棚はそれ自体が一種の記憶術の装置であることや、本を手にして読むとき、自分の心身になにが生じているかについての観察など、例によってあちらこちらととっちらかった話をしたのでした。要約すれば、いわゆる「ユーザー体験」、人がゲームや本やなんらかの道具に触れて使うとき、どんな経験をしているのか、それをどのように設計するのかといったことを考える時間でした。

気が早いようですが、次回2019年度も共通講座を担当することになりました。

今回は「マルジナリアから考える」と題しております。内容については、下記ミームデザイン学校のページで公開されております。

 

 

史料画像管理ソフト「Tropy」

史料画像管理ソフト「Tropy」についてのメモ。

★ 菊池信彦「Tropyの使い方」(2018)PDF

★Tropy(インストールはこちらから)

 

資料『八十一難経』

一栢(いっぱく、生没不詳)

戦国時代の僧。儒学,医学,暦学,陰陽学に通じる。越前(福井県)の守護朝倉孝景にまねかれ,一乗谷(福井市)に滞在。享禄2年(1529)日月食を計算し,天文5年(1536)明(中国)の医書「八十一難経」を校正,出版した。

 (『日本人名大辞典』講談社、JapanKnowledge版から)

故あって、この説明に見える『八十一難経』を探してみたら、例によって早稲田大学の「古典籍総合データベース」にありました。岩田七兵衛による寛永4年(1627年)版。ありがたや。

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/ya09/ya09_00008/ya09_00008_0001/ya09_00008_0001_p0010.jpg

 

寄稿「文体百版」第4回

季刊『文藝』2019年春号(河出書房新社)に、連載文芸時評「文態百版」の第4回を書きました。

連載を始めてこれで1年が経つ勘定です。

文芸時評を担当するにあたって、誰からそうしろと言われたわけでもないのですが、五大文芸誌を中心とした文芸誌と呼べそうな雑誌をともかく全ページ読むということを続けながら書いています。

今回は、そうした経験を通じて感じたことを率直に書いてみました。

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過去3回分は、「Web河出」で公開されています。

また、『文藝』については河出書房新社のウェブページでどうぞ。

 

寄稿「古典再訪」第3回

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書店・双子のライオン堂が発行する文芸誌『しししし』第2号がもうすぐ発売になります。

今回はドストエフスキー特集。

私は特集とは別の連載「古典再訪」の第3回を寄稿しております。

『しししし』の前誌『草獅子』創刊号(にして終刊号?)で、古典を紹介するエッセイをとのことで、夏目漱石『文学論』について書いたところ、連載ということになって、『しししし』創刊号に第2回を書いたのでした。

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詳しくは下記リンク先をどうぞ。