岩波現代文庫

エミール・デュ・ボア=レーモンについて

久しぶりに、コンスタンス・リード『ヒルベルト 現代数学の巨峰』(彌永健一訳、岩波現代文庫学術240、岩波書店、2010/07/16)を読んでいたら、ヒルベルトが若い頃、エミール・デュ・ボア=レーモン(Emil du Bois-Reymond, 1818-1896)の本が広く読まれたと…

2022年12月の学術系文庫

2022年12月の学術系文庫の新刊です。これまで、Twitterで毎月ツイートするだけにしていましたが、記録のためにもブログにも投稿しておこうと思います。 ・岩波文庫 ・岩波現代文庫 ・講談社学術文庫 ・講談社文芸文庫 ・光文社古典新訳文庫 ・光文社未来ライ…

★中沢新一『はじまりのレーニン』(岩波現代文庫学術、岩波書店、2005/05、amazon.co.jp) よく笑い,子どもや動物に触れるのを好み,音楽好きだったレーニン.彼が理解し,直観した唯物論は,生の律動に触れる思想だった.ヤコブ・ベーメを経由してヘーゲル…

★山口昌男『「敗者」の精神史(上)』(岩波現代文庫学術、岩波書店、2005/05、amazon.co.jp) 明治維新以後の薩長中心の階層秩序から離れ,「もう一つの日本」をつくりあげて来た人々がいる.上巻では日比翁助の三越改革,淡島椿岳・寒月父子の知的バサラ術…

★松本健一『竹内好論』(岩波現代文庫学術、岩波書店、2005/05、amazon.co.jp) 竹内好(1910〜1977)は単なる中国文学者ではない.魯迅を精神の糧とし,戦争体験を反芻しつつ,近代日本への根源的批判者として問題提起を続けた自立の思想家であった.その生…

★荒井信一『戦争責任論——現代史からの問い』(岩波現代文庫学術、岩波書店、2005/05、amazon.co.jp) 塹壕戦で闘った兵士が戦争神経症に悩まされた第一次大戦.その戦後に提起された戦争責任問題は,未決の課題として今も存在し続けている.本書は戦争の特質…

★金子務『アインシュタイン・ショック I——大正日本を揺るがせた四十三日間』(岩波現代文庫社会108、岩波書店、2005/02、amazon.co.jp)#0261 1922年(大正11年)11月、ア博士来日。熱狂する日本。 なぜそれほどまでに大正の人々は、アインシュタインに熱狂…

★金子務『アインシュタイン・ショック I 大正日本を揺がせた四十三日間』(岩波現代文庫、岩波書店、2005/02/16、amazon.co.jp、¥1300)【思想】 科学革命とアインシュタインの来日が大正・昭和の文化と思想に与えた衝撃を社会史的に描く感動的ノンフィクシ…