朝日出版社

「この世界の小さな驚異について――人文的、あまりに人文的な科学夜話」

2021年06月04日(金)の夜は、ゲンロンカフェで全卓樹さん、吉川浩満くんとともに「この世界の小さな驚異について――人文的、あまりに人文的な科学夜話」というイヴェントでした。 斎藤哲也さん、吉川くんとともに、2020年の「『人文的、あまりに人文的』な、…

「コンピューターとの上手な付き合い方」

「朝日小学生新聞」5月28日号の「まなび新時代 GIGAスクール編」の紙面で取材にお答えしました。 お題は「コンピューターとの上手な付き合い方」。 コンピュータはプログラム次第で変身する道具、試行錯誤を楽しもうという趣旨のお話をしております。 こちら…

「本棚会議」Vol. 2の記録

先日、ジュンク堂書店池袋本店で行った「本棚会議」Vol. 2の記録が、朝日出版社のブログに掲載されました。 メアリ-・セットガスト『先史学者プラトン』(朝日出版社)の刊行を記念して行われたイヴェントです。吉川浩満くんと私とで、書棚のあいだを歩きな…

本棚会議 vol. 2で吉川くんとおしゃべり

5月25日(金)に、ジュンク堂書店池袋本店4階で行われた「本棚会議 vol. 2」に吉川浩満くん(id:clnmn)と登壇(というべきかなんというべきか)しました。 メアリー・セットガスト『先史学者プラトン』(朝日出版社)の刊行を記念したイヴェントです。第1回…

『先史学者プラトン』重版出来☆

4月8日に刊行したメアリー・セットガスト『先史学者プラトン』(國分功一郎序文、山本貴光+吉川浩満訳、朝日出版社)が重版となりました。ありがとうございます。 訳者としては、とても面白い本だけど、どれだけ読んでもらえるかしらと少々不安でもありまし…

『先史学者プラトン』刊行記念ブックフェア@東京堂書店

メアリー・セットガスト『先史学者プラトン』(國分功一郎序文、山本貴光+吉川浩満訳、朝日出版社)の刊行記念ブックフェアが、東京堂書店神保町店で始まりました。 吉川くんとともに三十数冊の本を選んでリーフレットをこしらえております(編集は同書と同…

Googleの医療や健康にかんする検索結果の質を向上するアップデートについて

Googleで、医療や健康にかんする検索結果の質を向上するアップデートがなされたとのこと。歓迎したいニュースです。 ただし、利用者が検索結果の真偽や信頼性について自分でも検討・判断する必要があるという点にかわりのないことには引き続き注意が必要であ…

「東京堂書店トークイベント報告」(工作舎)

先日、東京堂書店で行った古賀弘幸さんの新著2冊の刊行記念のトークイヴェントについて、工作舎のウェブサイトにレポートが掲載されました。 当日は、古賀さんが用意したたくさんの写真を見ながら、『文字と書の消息』(工作舎)と『書のひみつ』(朝日出版…

古賀弘幸×山本貴光「文字百景 世界は文字で満ちている! ――書の「文体」の不思議に遊び、考える夕べ」(東京堂書店)

古賀弘幸×山本貴光「文字百景 世界は文字で満ちている! ――書の「文体」の不思議に遊び、考える夕べ」(東京堂書店) 古賀弘幸さんの新著『文字と書の消息』(工作舎)、『書のひみつ』 (朝日出版社)の刊行を記念して、トーク&サイン会が開かれます。 僭…

紀伊國屋じんぶん大賞2017

紀伊國屋じんぶん大賞2017の大賞に輝いたのは、加藤陽子『戦争まで――歴史を決めた交渉と日本の失敗』(朝日出版社)でした。 紀伊國屋のサイト(下記リンク先)では、加藤先生の受賞コメントも公開されています。 一部を引用します。 私たちがどこへ行くのか…

「絶滅」から生命の歴史を眺める

★吉川浩満『理不尽な進化――遺伝子と運のあいだ』(朝日出版社、2014/10、ISBN:4255008035) 吉川君の新著が刊行された。朝日出版社第二編集部ブログで、2011年から2013年まで連載された原稿をもとに、全面的に手を入れなおし、加筆を施して成った本だ。 進化…

★安東量子+ジャック・ロシャール「渡し舟の上で――現存被曝状況☆から、現存被曝状況へ」(朝日出版社第二編集部ブログ) http://asahi2nd.blogspot.jp/2014/09/fune01.html?m=1

科学が明かす「人間だもの」

近年、「認知バイアス」と呼ばれる人間の性質が、さまざまな実験を通じて明らかにされてきた。「バイアス(bias)」とは、「傾向」「先入観」「偏り」という意味であり、「認知バイアス」とは、要するに、人がなにかを認知する際、必ずしも妥当な判断ばかり…

災い転じてモノサシとなす

この『自殺』という本を読みながら、末井さんの文章に感じることを一言でいうとしたら、「楽しい」というのが一番近いと思います。それと同時に、書名の「自殺」という言葉が念頭にあるものだから、「自殺の話で楽しいってどういうことだろうか」と、ちょっ…

放射線は人体や生活にどのような影響を与えるのか

★日本保健物理学会「暮らしの放射線Q&A 活動委員会」著『専門家が答える 暮らしの放射線Q&A』(朝日出版社、2013/07、ISBN:4255007276) 日本保健物理学会の諸先生・関係者が、2011年3月11日の福島第一原発事故の直後から、ボランティアで運営した同名ウェ…

手前味噌のようで誠に恐縮ですが、拙著をお読みくださった皆さんの感想をご紹介したいと思います。自画自賛めいて、いささか恥ずかしくもありますが。 去る9月12日の東京新聞の書評にて、横山広美さんに書評で紹介していただきました。一部を引用します。 こ…

『コンピュータのひみつ』のひみつ その6

日本の書店で、コンピュータ関連書の棚の前に立ってみると、面白いことが分かります。 そこに林立する書物のほとんどは、なんらかのマニュアルなのです。 今なら、iPadやiPhoneの活用ガイドのようなハードの解説書、Word、Excel、Photoshop、Illustrator、Fl…

『コンピュータのひみつ』のひみつ その5

拙著『コンピュータのひみつ』(朝日出版社、2010/09)が刊行されました。書店のコンピュータ書コーナーに置かれています。 牧野伊三夫画伯による、松に猿という一見不思議な絵をあしらった表紙が目印です。装幀は、アリヤマデザインストアの有山達也さんと…

『コンピュータのひみつ』のひみつ その4

ブルーノ・ムナーリは、「機械主義宣言」という文章でこんなことを言っています。 現代は機械の時代である。われわれは機械の真中に生きており、働くにも、遊ぶにもすべて機械のお世話になっている。しかし、われわれは機械の気質や本性や動物的な欠陥につい…

『コンピュータのひみつ』のひみつ その3

「コンピュータってなんですか?」という問いに対して、あなたならなんと答えるでしょうか、と前回問いかけました。 この「Xとはなんですか?」というのは、なかなか厄介な問いかけです。見かけはシンプルですが、しばしば子どもが「イヌってなあに?」「会…

『コンピュータのひみつ』のひみつ その2

さて、「コンピュータってなんですか?」というお話でした。 みなさんなら、これになんと答えるでしょうか。あるいは、周囲にいるコンピュータに詳しい人に尋ねてみたら、あるいは、お手元の本を開いたら、どんな答えが返ってくるでしょうか。 「コンピュー…

『コンピュータのひみつ』のひみつ その1

春から夏にかけて、『コンピュータのひみつ』(朝日出版社、2010/9/10刊行予定)という書物の制作に取り組んでいました。何回かにわたって、この書物についてお話ししてみたいと思います。 * 書店にはすでに馬に食わせるほどコンピュータ書があるというのに…

歴史の授業

高校生の頃、歴史の教科書を読むつど、どうにも躓いてしまうことがあった。 例えば、或る戦争が勃発したきっかけや原因がさらりと数文字、数行で説明されているのは、紙幅の都合もあろうからよいとして、いったいその歴史の記述は、どのようにして選び出され…

野菜のひみつ

いまよりも、さらにものを知らなかった学生の時分、福岡正信の『無』三部作(春秋社、ISBN:4393741447)を読み、自然農法という農法があることを知った。 といっても農業に関心があったのではなくて、「無の哲学」と題された第2巻で展開される西欧哲学批判を…

むしろなぜそのような写真が撮れたのかを知りたい

★大竹昭子編著『この写真がすごい2008』(朝日出版社、2008/07/10、ISBN:4255004390) 或るとき、或る場所で、或る角度と距離から、被写体の一瞬を固定すること。写真を眺めるつど、この一枚は(理念的には)ほとんど無限に可能であるはずの写真のなかの、よ…

わずかな首のひねりからはじまる思索

ミシェル・フーコー(Michel Foucault, 1926-1984)の書物の魅力は、めくるめく読書体験をもたらす文章の力とともに、その問いの立て方にあるように思う。ある問いについてめぐらされた思考に触れるとき、第一の関門は読み手がそこで提出されている問いにど…

拙訳書『MiND――心の哲学』(山本貴光+吉川浩満訳、朝日出版社、2006/03、ISBN:4255003254)について、山形浩生さんと茂木健一郎さんが書評を書いてくださいました。ありがとうございます。 ★山形浩生「今月の一冊」(『Cut』2006年5月号、vol.196、rockin'o…

2006年04月06日より、三省堂書店神田本店5階(科学書コーナー)にて、「心脳問題ブックフェア」を開催しています。 三省堂書店と朝日出版社のご協力を得て、相棒・吉川浩満(id:clinamen)と私が選ばせていただいた「心脳問題(Mind-Body Problem)」関連書…

人文書を中心とした書籍情報を満載したメールマガジン「[本]のメルマガ」に、相棒・吉川浩満とともに寄稿させていただきました(いきがかり上、『MiND』の書影掲載の頻度が高く失礼します :-)。 今回の原稿では、『MiND——心の哲学』の魅力と、同書が書店の…

このたびサールの『MiND——心の哲学』(朝日出版社、2006/03、amazon.co.jp)を翻訳してみて、あらためて哲学用語の訳語について考えさせられた。特に今回の本は「心の哲学書」の入門書ということもあって、読み手が用語につまづいてしまうのは避けたい。され…