2009

存在と文字――白川静における「ロゴス」

*拙稿の誤植について、末尾に追記しました(2009年12月29日) 久しぶりに『ユリイカ』誌に寄稿しました。今回の特集は、「白川静――一〇〇歳から始める漢字」です。 当初の編集部からのご依頼は、漢字以外の古代文字について、白川流の方法や見方を施すとし…

本読む姿

『本の読み方』といっても、内容をより効率的に吸収するテクニックやら、本の選び方を書いた本ではない。 喩えて言うなれば、人が、日常のなかで、どんなふうに本を読んでいるかということについて、スナップ写真を撮って、それを見ながら、きっとこういうこ…

誰がゲームで遊ぶのか

ゲーム会社で、商業用ゲームの企画を立てる際、もっとも悩ましいことの一つは、そのゲームが誰に売れるかという問題だ。 私が所属していたコーエーでは、ゲームの企画書に「ターゲットユーザー(想定消費者)」の項目を設けて、年齢層やどんなゲームを好む人…

歴史の授業

高校生の頃、歴史の教科書を読むつど、どうにも躓いてしまうことがあった。 例えば、或る戦争が勃発したきっかけや原因がさらりと数文字、数行で説明されているのは、紙幅の都合もあろうからよいとして、いったいその歴史の記述は、どのようにして選び出され…