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「マルジナリアでつかまえて」第2回

先月から『本の雑誌』で始めた連載「マルジナリアでつかまえて」の第2回が、同誌2017年11月号に掲載されました。 今回は「読書とはツッコム事と見付けたり」と題して、具体的なマルジナリア(本の余白への書き込み)の例を眺めております。 登場するのは、マ…

蒐書録#021:マイケル・W・クルーン『ゲームライフ――ぼくは黎明期のゲームに大事なことを教わった』ほか

★Rebecca L. Walkowitz, Born Translated: The Contemporary Novel in an Age of World Literature (Columbia University Press, 2017) かつてに比べて、ある言語で刊行された小説が、他の言語に翻訳されるまでの時間がぐっと短くなっている現在、文学(本書…

蒐書録#020:『BRUTUS』「特集=国宝。」(あるいは橋本麻里無双)

★『〆切本2』(左右社、2017/10) 恐ろしい本の続編。怖い物見たさでつい読んでしまう。締切は迫る。書けぬものは書けぬ、と苦しむ作家たちの姿。でもなぜだか、つらい話のはずなのに笑ってしまうことが多い。例えば、源氏鶏太が、あまりに原稿が書けないの…

蒐書録#019:ヘイドン・ホワイト『メタヒストリー』ほか

★ジェームズ・C・スコット『実践 日々のアナキズム――世界に抗う土着の秩序の作り方』(清水展+日下渉+中溝和弥訳、岩波書店、2017/09) James C. Scott, Two Cheers for Anarchism: Six Easy Pieces on Autonomy, Dignity, and Meaningful Work and Play …

蒐書録#018:『J・G・バラード短編全集4』ほか

『夏目漱石『文学論』論(仮題)』(幻戯書房、近刊)の作業に追われ、来る日も来る日も漱石関連文献の確認をつづけていると、終わりのない作業のように思われてきて、くらくらして参ります。 こういう日々を送っていると、漱石に関係のない本がすべて新鮮に…

蒐書録#017:大森貴秀+原田隆史+坂上貴之『ゲームの面白さとは何だろうか』

★亀井俊介編『現代の比較文学』(講談社学術文庫1114、講談社、1994/02) 『現代比較文学の展望』(研究社、1972)として刊行された論集の文庫版。目次は以下の通り。 ・はしがき(原本) ・学術文庫版はしがき ・亀井俊介「比較文学の視野――ホイットマン的…

蒐書録#016:ウラジーミル・ナボコフ『アーダ』

★ウラジーミル・ナボコフ『アーダ』(上下巻、若島正訳、早川書房、2017/09) Vladimir Nabokov, Ada or Ardor: A Family Chronicle (1969) 旧訳を手に入れられず図書館で借りて読んでおりましたが、ついに新訳登場。訳者は『ディフェンス』『ロリータ』『記…

蒐書録#015:川上未映子責任編集『早稲田文学増刊 女性号』

★芥川龍之介+谷崎潤一郎『文芸的、余りに文芸的な|饒舌録ほか』(千葉俊二編、講談社文芸文庫、講談社、2017/09) 芥川と谷崎の論争にかんする文章を集めた本。こういう企画もありがたい。複数の人があちこちの雑誌などで意見を戦わせるような場合、これを…

蒐書録#014:安田登『能――650年続いた仕掛けとは』

★安田登『能――650年続いた仕掛けとは』(新潮新書732、新潮社、2017/09) 冒頭に能の効能が五つ書かれているのだけれど、長続きする組織作りのヒントになる、健康長寿の秘訣、心を穏やかにする、政治統治のマネジメントに有効というあたりまでは「ふむふむ」…

蒐書録#013:『ゲンロン6 ロシア現代思想I』ほか

★アントワーヌ・メイエ『ヨーロッパの言語』(西山教行訳、岩波文庫青699-1、岩波書店、2017/09) Antoine Meillet, Les langues dans l'Europe nouvelle (1928) ★江戸川乱歩『怪人二十面相・青銅の魔人』(岩波文庫緑181-2、岩波書店、2017/09) ★大岡信『…

マルジナリアのあるニュートン『光学』

マルジナリアのあるニュートン『光学』(英語版) Opticks: or, A treatise of the reflexions, refractions, inflexions and colours of light. Also two treatises of the species and magnitude of curvilinear figures (1704) "Parker, Theodore, 1810-1…

蒐書録#10:飯田泰之『経済学講義』ほか

★飯田泰之『経済学講義』(ちくま新書1276、筑摩書房、2017) ★クリスチャン・モンティロン『ローダンNEO2 テラニア』(長谷川圭訳、ハヤカワ文庫SF2139、ロ10-2、早川書房、2017) Christian Montillon, Perry Rhodan Neo: Utopie Terrania (Pabel-Moewig V…

カート・ヴォネガットの短篇集『コンプリート・ストーリーズ』

近刊のカート・ヴォネガットの短篇集『コンプリート・ストーリーズ』(Seven Stories Press)には、未発表作品も含まれているのだとか。 詳しくは下記の記事へどうぞ。

蒐書録#009:ティム・インゴルド『メイキング――人類学・考古学・芸術・建築』ほか

★ティム・インゴルド『メイキング――人類学・考古学・芸術・建築』(金子遊+水野友美子+小林耕二訳、左右社、2017) Tim Ingold, Making: Anthropology, archaeology, art and architecture (2013)の邦訳。『ラインズ――線の文化史』(左右社、2014)もよい…

新連載「マルジナリアでつかまえて」(『本の雑誌』)

『本の雑誌』2017年10月号(本の雑誌社)は、「2017年、新訳の旅!」特集。 新訳して欲しいと思う本かー。 ミシェル・フーコーの『言葉と物』、そろそろいかがでしょう。 今回から、同誌で「マルジナリアでつかまえて」という連載を始めました。 第1回は「わ…

蒐書録#008:漱石研究文献

目下仕上げに向けて作業中の『夏目漱石『文学論』論(仮)』(幻戯書房)のため、現物を確認しなおしたい文献を買い集める。 何年か前に図書館の助けを借りて読んだものがほとんどだけれど、いまは他館から取り寄せる時間を惜しんで、とにかく手に入るものは…

蒐書録#007:スティーヴン・キング『死の舞踏――恐怖についての10章』ほか

仕事のあいまの息抜きにと、以前は写真だけ撮ってfacebookに投稿していた蒐書録を、この場でつけてみているところ。自分に関するお知らせだらけになってしまうより、精神衛生的にもいいですね。 ★スティーヴン・キング『死の舞踏――恐怖についての10章』(安…

『アイデア』第379号「ブックデザイナー鈴木一誌の仕事」(誠文堂新光社、2017)

世界のデザイン誌『アイデア』第379号(誠文堂新光社、2017)は、「ブックデザイナー鈴木一誌の仕事」特集。 モウ表紙の写真だけでしばらく楽しめます。 鈴木さんの生い立ちから現在に至るまでを語るロングインタヴューは、鈴木さんの個人史でもあり、ブック…

蒐書録#006:山田慶兒『日本の科学――近代への道しるべ』(藤原書店、2017)

私がはじめて三浦梅園(1723-1789)を知ったのは、たぶん「日本の名著」(中央公論社)を集め読んでいる最中だったと思う。 いずれも抄録ながら『玄語』『贅語』を収めた『中公バックス日本の名著20 三浦梅園』(1984; 私が手にしたのは1996年の再版)を手に…

『池澤夏樹、文学全集を編む』(河出書房新社、2017/09、近刊)

河出書房新社から「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」(全30巻)が刊行されたのは、2007年11月から2011年03月にかけてのこと。 かつて多種多様な文学全集が出ていたのが嘘のように(例えば田坂憲二『文学全集の黄金時代』をご覧あれ)、そうした企画が少な…

蒐書録#005:千葉雅也『動きすぎてはいけない』ほか

外に出ると書店に寄る。 書店に寄ると本を買う。 書店に寄ったのに手ぶらで店を出る日は、よほどくたびれているということが自覚される。そんなふうに感じるようになって早幾歳。 目下プロ契約を結んで通っているゲーム会社モブキャストは東京都は六本木にあ…

蒐書録#004:『文化進化の考古学』

★中尾央+松木武彦+三中信宏編著『文化進化の考古学』(勁草書房、2017) 目次は以下の通り。 はじめに 中尾央・松木武彦 第1章 現代的な文化進化の理論 井原泰雄 1.1 文化進化 1.2 中立的な文化進化 1.3 適応的な文化進化 1.4 結論 第2章 遠賀川式土器の…

蒐書録#003:エンリーケ・ビラ=マタス『パリに終わりはこない』他

気散じの散歩がてら神保町に出かけて東京堂書店で入手。『夏目漱石『文学論』論(仮)』の初校ゲラも鞄に入れていたのだけれど、肝心のペンを忘れる。ペンを忘れるということは本も読めない。それでも小説なら比較的読めるというので、憎からず思っているエ…

蒐書録#002:マドレーヌ・ピノー『『百科全書』』他

★マドレーヌ・ピノー『『百科全書』』(小嶋竜寿訳、文庫クセジュ1014、白水社、2017) Madeleine Pinault, L'encyclopédie (Collections QUE SAIS-JE? No. 2794)の翻訳書。吉川浩満くん(id:clnmn)の「著者名が美味しそうで困る」というつぶやきをうっかり…

蒐書録#001:『文庫版 塚本邦雄全歌集』他

このところ手にした本や雑誌の写真を撮ってInstagramで記録してみている。 写真に撮るだけなら片手間でできるので、三日坊主気味の私でも比較的サボらず続けられている。 これなら、外にいるときに「あれ? あの本ってどうしたっけな」なんて時に写真を眺め…

ヴェルナー・ローレヴィンク『時の束』

ヨーロッパとアメリカにおける書物に現れた時間表現を集めた、Daniel Rosenberg and Anthony Grafton, Cartographies of Time: A History of the Timeline (Princeton Architectural Press, 2010)に登場する書物について、ネット上で見られる資料のリンクを…

池澤夏樹=個人編集 日本文学全集『源氏物語』(角田光代訳)/『池澤夏樹、文学全集を編む』

2014年の『古事記』(池澤夏樹訳)から始まった「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」(全30巻、河出書房新社)も既刊27巻となり、残るは角田光代さんによる新訳『源氏物語』(3巻)となりました。 その上巻(1帖「桐壺」から21帖「少女」)が9月11日に刊行…

高橋新吉『ダダイストの睡眠』

★高橋新吉『ダダイストの睡眠』(松田正貴編、境界の文学、共和国、2017/08) 共和国の「境界の文学」シリーズ4冊目は、「発狂詩人」高橋新吉の文集。 巻頭から新吉発狂を報じる『読売新聞』(1922年12月22日)の記事が目に入り、はやくも不穏な気配。 詩は…

ピーター・メンデルサンド『本を読むときに何が起きているのか』重版

ピーター・メンデルサンド『本を読むときに何が起きているのか――ことばとビジュアルの間、目と頭の間』(細谷由依子訳、フィルムアート社、2015)が重版されたとのことです。 自分の本ではないけれどうれしいなあ。 いい意味でとても変な本。 なにしろ書名に…

田川建三訳著『新約聖書 訳と註』全巻完結

田川建三訳著『新約聖書 訳と註』(全7巻・8冊、作品社)、とうとう最終第7巻が刊行されるようですね。 ぜひ本文を集めた一巻も出していただきたいところであります。 なにはともあれ、田川建三先生、おつかれさまでした! 以下は作品社のウェブページから。…