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寄稿:「文学のエコロジー」第4回(『群像』2022年6月号)

『群像』2022年6月号(講談社、2022.05.07)に連載「文学のエコロジー」の第4回を書きました。 タイトルは「社会全体に網を掛ける方法」です。 第2回から続くバルザック『ゴリオ爺さん』には、なにがどのように書かれているのかを検討するシリーズも一区切り…

解説:大澤真幸『〈世界史〉の哲学1 古代篇』

大澤真幸『〈世界史〉の哲学1 古代篇』(講談社文芸文庫おZ2、講談社、2022/04)に解説「世界史の謎に迫るためのアルゴリズム」を書きました。 10年以上にわたって書き継がれてきたシリーズの最初の巻ということもあり、同シリーズで大澤さんが取り組む課題…

書評:ジャン=イヴ・モリエ『ブックセラーの歴史』

2022年4月9日の「日本経済新聞」に、ジャン=イヴ・モリエ『ブックセラーの歴史 知識と発見を伝える出版・書店・流通の2000年』(松永りえ訳、原書房、2022/02)の書評を書きました。 一口に「書籍商」といっても実に多様なあり方をしてきたという様子を見せ…

寄稿:「文学のエコロジー」第3回(『群像』2022年5月号)

『群像』2022年5月号(講談社)に連載「文学のエコロジー」第3回を書きました。 今回は「潜在性をデザインする」と題して、バルザックの『ゴリオ爺さん』を例に、人間の生態を描く上でも重要な空間や建築がどのように記述されているかを眺めています。補助線…

寄稿:「文芸的事象クロニクル」(『文藝』2022年夏季号)

『文藝』2022年夏季号(河出書房新社)に「文芸的事象クロニクル」を書きました。 今回の対象期間は、2021年12月、2022年1、2月の3カ月です。 www.kawade.co.jp

書評:大田暁雄『世界を一枚の紙の上に』(オーム社)

「週刊読書人」2022年4月1日号(第3434号)に、大田暁雄『世界を一枚の紙の上に――歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生』(オーム社)の書評を書きました。 同書は『idea』(誠文堂新光社)の連載をもとにつくられた本で、そのままでは見ることのできな…

寄稿:「絶版本」(かしわもち、柏書房)

柏書房のwebマガジン「かしわもち」の連載「絶版本」の最終回に、吉川浩満くんとともに寄稿しました。 「「絶版」ガモンダイなのだ」と題して、対談形式でお送りしております。 note.com

書評:沖田瑞穂『すごい神話』(新潮選書)

『波』2022年4月号(新潮社)に、沖田瑞穂『すごい神話 現代人のための神話学53講』(新潮選書)の書評を書きました。 「現代に転生する世界の神話」と題して、ゲーム制作と絡めつつ同書の読みどころを述べております。 www.shinchosha.co.jp

寄稿:「試行錯誤のすすめーープログラミング教育に必要不可欠な姿勢について」(『現代思想』)

『現代思想』2022年4月号「特集=危機の時代の教育」(青土社)に「試行錯誤のすすめーープログラミング教育に必要不可欠な姿勢について」を書きました。 文部科学省の関連文書に頻出する「論理的思考」がなにを指すのか分からなかったのですが、小中高での…

寄稿:『グラフィックデザイン・ブックガイド』(グラフィック社)

『グラフィックデザイン・ブックガイド 文字・イメージ・思考の探求のために』(グラフィック社、2022.03.25) に「人体と文体のあいだで起きること――読む/見るを考えるためのブックガイド」を書きました。 同書の詳しい目次は、下記リンク先でどうぞ。 www…

寄稿:「異界をつなぐエピグラフ」第3回(創元社note部)

創元社note部に「異界をつなぐエピグラフ」の第3回「ホラーの帝王にしてエピグラフの王」を書きました。 スティーヴン・キングは無類のエピグラフ好きで、実際のところどうなのかを眺めてみております。 note.com

神谷書庫訪問

岡山県にある国立療養所長島愛生園の神谷書庫にお邪魔してきました。 同書庫では、ハンセン病にかんする文献を収集・公開しています。近年、神谷美恵子の蔵書の一部が収められ、洋書と和書に分けて置かれていました。 かねてより神谷美恵子が本に書き込みを…

『図書新聞』の上半期読書アンケート

『図書新聞』第3505号、2021年7月24日号の「2021年上半期読書アンケート」に回答しました。3冊を選んでコメントを添えています。 今年もよい本がたくさん出ているので、そこから3冊を選ぶのはたいへん難しいですね。 ★図書新聞 > 同号目次 http://www.toshos…

とある図書館の古典叢書類の解説

とある図書館の古典叢書類の解説。 ★横浜国立大学附属図書館 > 新受入図書紹介(古典・叢書類) https://www.lib.ynu.ac.jp/KANPOU/1-2/S52COL.html 同図書館の受入図書。リンク先のページでは、以下の叢書類について簡単に説明されている。 ローブ古典叢書…

トイプナー叢書

1849年にB. G. トイプナー(Benedictus Gotthelf Teubner, 1784-1856)によって創刊されたトイプナー叢書についての関連リンク。 ★Bibliotheca scriptorum Graecorum et Romanorum Teubneriana https://www.degruyter.com/serial/BT-B/html ド・グロイター社…

「新潮」編集部編『パンデミック日記』(新潮社)の書評

『新潮』第118巻第8号、2021年8月号(新潮社)に、「新潮」編集部編『パンデミック日記』(新潮社)の書評を書きました。 同書は、52名の創作者たちが、2020年1月1日から12月31日まで、1週間ずつ書いた日記を並べたものです。 以前、『岩波新書解説総目録 19…

クレメンス・J・ゼッツ『インディゴ』(犬飼彩乃訳、国書刊行会)推薦文

クレメンス・J・ゼッツ『インディゴ』(犬飼彩乃訳、国書刊行会、2021.06.04)に推薦文を書きました。 もうお一方は、円城塔さんです。 kokusho.co.jp

J. S. ミル『功利主義』(岩波文庫)

岩波文庫、2021年5月の新刊に、J. S. ミル『功利主義』(関口正司訳、岩波文庫白116-11)が入った。 このエントリーでは、同書を中心として、書誌や関連文献についてまとめておこう(適宜追記してゆく予定)。 訳者によれば、もとは1861年に『フレイザーズ・…

エドガー・アラン・ポー・コレクション

テキサス大学オースティン校のハリー・ランサム・センターが公開しているデジタルコレクションに「エドガー・アラン・ポー・コレクション(Edgar Allan Poe Collection)」がある。 ポーによる手稿、書簡の他、所有していた新聞、譜面、書物などのデジタル版…

全集類について

書店に、定期購読を依頼した本。 ★『伊藤整日記』(全8巻、平凡社)第2回配本から ★『山田慶兒著作集』(全8巻、臨川書店) ★『ヘーゲル全集』(全19巻24冊、知泉書館)第5回配本から 以上の他に、次の本も同様に購読中。 ★『吉本隆明全集』(全38巻+別巻、…

ルネ・デカルト『哲学原理』フランス語版(1668)

Gallicaで公開されている、ルネ・デカルト『哲学原理』フランス語訳版。 René Descartes, Les Principes de la philosophie (1668) 同書に収録されている、デカルトがフランス語版の訳者クロード・ピコ(1614-1668)に宛てた書簡に記している、学問を樹木に…

アイザック・ニュートン書簡集

ケンブリッジ大学出版のウェブサイトにある、アイザック・ニュートンの書簡データベース「The Correspondence of Isaac Newton」。 書籍として全7巻で刊行されている同名書の内容がデジタル化されており、検索をかけられる。ただし、閲覧にはアクセス権限が…

「マルジナリアでつかまえて」第45回

『本の雑誌』2021年6月号(本の雑誌社)に「マルジナリアでつかまえて」第45回を書きました。 「黒い点と十字の秘密」と題して、モーツァルトの手稿譜に残された染みについてのお話です。 あと5回で50回。 www.webdoku.jp

「マルジナリアでつかまえて」第46回「黒い点と十字の謎」

『本の雑誌』2021年6月号(本の雑誌社)に「マルジナリアでつかまえて」の第45回を書きました。 今回は「黒い点と十字の謎」と題して、モーツァルトの手稿譜についた黒いシミをめぐる話です。マルジナリア案件として話題を提供してくださった河西恵里さんに…

「推しがいるということ――宇佐見りん『推し、燃ゆ』について」

河出書房新社のウェブサイト「Web河出」に、「推しがいるということ――宇佐見りん『推し、燃ゆ』について」が掲載されました。 この文章は、『文藝』2020年冬季号(河出書房新社)に書いた「文芸季評 文態百版」からの抜粋です。毎回、それに先立つ3カ月分の…

「ハイデッガー全集」オンデマンドで復刊

創文社から刊行されていた「ハイデッガー全集」は、同社解散にともなって、東京大学出版会が引き継いだとのこと。そしてついに、既刊50冊のオンデマンド版刊行が始まるといううれしいニュースです。 【ご案内】「ハイデッガー全集」はドイツで刊行中(全103 …

『アイドルマスター』について――2.5次元的な造形美

『BRUTUS』2021年3月1日号(マガジンハウス)は「アイドルマスター」を特集しています。 同特集中の「アイマス構造分析。なぜハマる? なぜ続く?」というコーナーで、僭越ながら「2.5次元的な造形美。」という話をしています。取材・構成は、鳥澤光さんです…

「これが示したいことだった」最終回(『数学セミナー』)

1年の予定で書いてきた『数学セミナー』(日本評論社)の連載「これが示したいことだった」最終回(第12回)を3月号に書きました。 この連載は、読書日記のように、折々に読んでいる数学や自然科学の本について書いたエッセイです。 完結を記念して、全12回…

マイクロノヴェルとしての『伊勢物語』

久しぶりに『伊勢物語』を通して読んでみた。 「むかし、をとこありけり」といって始まる恋物語。 むかしは全然そういうことが気になっていなかったけれど、いま読むと、断章形式の構造で、なんだかゲームAIにいろいろなパターンの恋愛行動をとらせた結果を…

「市民の立場で語る任命拒否問題」

人文社会系学協会連合連絡会編『私たちは学術会議の任命拒否問題に抗議する』(論創ノンフィクション8、論創社、2021/02/05)に、吉川浩満くんとの対談「市民の立場で語る任命拒否問題」(企画・構成・司会は「週刊読書人」の野村ななみさんで、「週刊読書人…