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『未来よ こんにちは』

ミア・ハンセン=ラヴ監督の『未来よ こんにちは』(L'Avenir、2016)の公開が始まりました。配給はクレストインターナショナル。 (*画像はクレストインターナショナルのウェブサイトからのリンク) フランスで高校(リセ)の哲学教師を務める主人公ナタリ…

『世界一美しい本を作る男――シュタイデルとの旅』

★『世界一美しい本を作る男――シュタイデルとの旅』(新潮社、2015/09) おお、もうすぐ刊行されるようですね。これは楽しみ。 世界最高峰の本作りの現場、シュタイデルはドイツの地方都市で印刷までこなす、40人ほどの出版社。ギュンター・グラス、ロバート…

カードを使ったシナリオ創作術

『ミルク』『J・エドガー』などの脚本家ダスティン・ランス・ブラックのカードを用いたシナリオ創作術。 KJ法(カードを用いた整理法)にも通じていそうなこの手法、時系列に展開する物語だけでなく、途中で条件によって状態が分岐するゲームを組み立てる上…

丁寧に生活しようという気持ち

スタジオジブリの映画を観ると、「もっと丁寧に生活しよう」という気持ちをそそられます(全部が全部というわけではありませんが)。 といっても、ジブリのアニメーションを観て、なにか道徳的なメッセージを読み取ったとか、そういうことではありません。 …

★ジョセフ・ヒレル監督『ミース・ファン・デル・ローエ』(ESCOLA、2005/12、REDV-00333、amazon.co.jp) ミース・ファン・デル・ローエ(Ludwig Mies van der Rohe, 1886-1969)のアメリカ移住後の作品を中心に紹介するドキュメンタリー映像。門弟たちやレ…

作家アーサー・C.クラーク(Arthur Charles Clarke, 1917-)はH.G.ウェルズ(Herbert George Wells, 1866-1946)の名作『宇宙戦争』(The War of the World)(1898)に寄せた序文で、物語の結末を明かしながら「本書の結末を明かしてしまったが、このくらい…

★『愉しき哉人生』(77min, 1944) 冒頭、縦書きで「撃ちてし止まむ」の一文がスクリーンに映り、戦時中の作品であることが思い起こされる。それにしても国策に諸手をあげて大賛成、という作家ならいざ知らず、必ずしもそうではない作家は戦時下という状況で…

★『ライフ・イズ・ミラクル』(154min, 2004) ZIBOT JE CUDE 古来、色恋に騒動はつきもので実生活はもちろんのこと、創作の世界にもゴマンと例がある。 古くはホメロスの作といわれる『イリアス』(成立は前8世紀とも)などは、色恋とそれが引き起こす騒動…

★『ソドムの市』(2004) 『リング』『女優霊』の脚本家・高橋洋(たかはし・ひろし)氏の監督作品『ソドムの市』(2004)を観る。 合成画面であることやワイヤー、無理な設定(30代が10歳の子供を演じるなど)を隠そうともしないチープな演出、全編にちりば…

★『成瀬巳喜男——記憶の現場』(2005, 94min) 関係者たちへのインタヴューをつうじて映画監督・成瀬巳喜男(なるせ・みきお, 1905-1969)に迫る一作。 登場するインタヴュイーは、淡島千景、草笛光子、小林桂樹、司葉子(以上は俳優)、秋森直美(美術監督)…

★『めし』(1951) 林芙美子(はやし・ふみこ[林フミコ]、1903-1951)が晩年に「朝日新聞」で連載していた小説『めし』(絶筆)を原作とする映画。大阪天神の森に住む或る夫婦のかわりゆく関係を描く。 狭い炊事場で朝食を用意する三千代(原節子)をよそに…

★『浮雲』(1955, 124min) 焼け野原となった東京にぽつりぽつりと残る家。幸田ゆき子(高峰秀子)は、その一軒をたずねる。玄関に出てきた女性に、農林省から富岡に会いにきたと来訪の意図を伝えるゆき子。家の主富岡兼吾(森雅之)があらわれ、二人は焼け…

★『死者との結婚』(1960) 身重の石井光子(小山明子)はビルの屋上から身を投げようとしていた。傍にいる男(高野真二)が言う。「そうしてくれたら手っ取りはやくてこちらはありがたいんだぜ」。飛び降りを止めた光子は、生きることを選ぶのだった。しか…

★『描くべきか愛を交わすべきか』(98min, 2005) Peindre ou faire l'amour アルノー・ラリユーとジャン=マリー・ラリユー兄弟監督作品。 天気予報士の仕事を早期退職したウィリアム(ダニエル・オートゥイユ)と会社経営をする傍ら絵を描く趣味をもつマド…

★『オペレッタ狸御殿』(2005) がらさ城城主・安土桃山(平幹二朗)はこの世で一番美しい者を自負する男。おかかえ予言者びるぜん婆々(由紀さおり)に「生きとして生けるもので一番美しいのは誰じゃ?」と問うのが日課。日頃は「それは安土桃山さまでござ…

★『ヴァンダの部屋』(178min, 2000) No Quarto da Vanda ペドロ・コスタ(Pedro Costa, 1959- )監督作品。 前作『骨』に出演したヴァンダ・ドゥアルテとその家族の生活を中心に、リスボン郊外のフォンタイーニャス地区の出来事を映した作品。 狭い路地が…

★『骨』(94min, 1997) Ossos リスボン郊外にあるスラム街。狭い路地にひしめきあう家のひとつにその男(ヌーノ・ヴァス)は住んでいる。若者は、職もなく食べるあてもなければ働く意志もなさそうだ。店のゴミ箱で食べ物を漁る生活を送る男。そこへ病院には…

★『にっぽん三銃士 博多帯しめ一本どっこの巻』(96min, 1973) 上記作品の第二部。夜行列車(の貨車)にまぎれこんで東京を脱出した三銃士のその後の話。 それぞれの出自と苦境を後にした三人は、列車に運ばれるままたどり着いた新天地・博多でまたまた一騒…

★『にっぽん三銃士 おさらば東京の巻』(88min, 1972) 48歳戦中派・元帝国陸軍中尉でいまはしがない編集長。小説を書こうと妻子の白い目もいとわず原稿用紙ばかり山のようにもっている・黒田忠吾(小林桂樹)。 36歳戦後派・医学博士で助教授とエリートコー…

★『ミリオンダラー・ベイビー』(133min, 2004) 「ボクシングってのは自然に反した行動なんだ」声が囁いた。「おれが言ってることがわかるか? ボクシングは、何もかも生きることに反している。左に動きたいなら、左側に踏み出してはいけない。右の爪先を出…

★『顔役暁に死す』(97min, 1961) 丘倉市長に再選された佐伯大三(林幹)をスナイパーの銃弾が襲う。佐伯市長は倒れ、スナイパーを現場に薬莢を残して去った。 そこへ佐伯の息子佐伯次郎(加山雄三)がアラスカから帰国する。自宅には次郎の不在中に佐伯の…

★『暗黒街の弾痕』(74min, 1961) 去る2005年02月19日に亡くなった岡本喜八(おかもと・きはち, 1924-2005)監督、1961年の作品。 コマツモータースの新型高性能エンジンのテスト中、ドライヴァー草鹿一郎(三島耕)は、何者かの追跡をうけ、運転をあやまっ…

★『さよなら、さよならハリウッド』(113min, 2002) HOLLYWOOD ENDING ウディ・アレン(Woody Allen, 1935- )、2002年の作品。 かつてはアカデミー賞にも輝いた映画作家ヴァル・ワックスマン(ウディ・アレン)もいまでは時代がかわって落ち目の売れない男…

★『永遠のハバナ』(Suite Habana)(84min, 2003) 台詞や解説を抜きに、ハバナに暮らす人びとの一日を映した作品。 一日とは起きてから眠るまでのあいだ、朝食をとり、学校や職場に移動し、勉強や仕事に従事し、昼食をとり、仕事をし、家に帰り、入浴、自…

泡音楽

アンゲロプロスの新作『エレニの旅』を観にいったら、ジャン=リュック・ゴダールの『Notre Musique』予告編が流れていた。 日本でも日仏学院などで先行的に上映されているこの作品、秋には一般公開される様子で未見のわたくしはいまから心待ちにしている一…

★『エレニの旅』(170min, 2004) ΤΡΙΛΟΓΙΑ: ΤΟ ΛΙΒΑΔΙ ΠΟΥ ΔΑΚΡΥΖΕΙ テオ・アンゲロプロス(Θεοδωροσ Αγγελοπουλοσ, 1935- )の『エレニの旅』を観る。 1919年、赤軍のオデッサ入城によってかの地に暮らしていたギリシア人の一団が、難民としてテサロニキに…

★『独裁者』(124min, 1940) The Great Dictator トメニア国の独裁者ヒンケルと、同国のゲットーで床屋を営むユダヤ人という対極の立場にある二人を軸にして、ナチス・ドイツとヒトラーの蛮行を対象化・批判する物語を展開した作品。国内にあってはユダヤ人…

★『キッド』(53min, 1921) The Kid 慈善病院から乳飲み子を抱いて出てきた女性(エドナ・パーヴィアンス)が、思い余って高級住宅の前に止めてある車にその子を置いてゆく。せめてお金持ちに拾われてほしいとの親心。ところがその車が泥棒に盗まれて子供は…

★『PTU』(88min, 2003) ジョニー・トー(Johnnie To)監督、2003年の作品。 組織犯罪課の刑事は街のチンピラを追うなかで拳銃を失くすという失態を演じる。彼の友人である特殊機動隊PTUのリーダーとその部下は失われた拳銃を探す手伝いに乗り出し、夜の香…

★『ジャンヌ・ダルクからフィリップ・ペタンまで』(58min, 1944) De Jeanne d'Arc à Philippe Pétain 木製と思しき箱が置かれている。その箱には、斜めに切れ目がはいっており、顔の見えない人物があらわれて、その箱の上部をもちあげると、そこには一冊の…

★『バッド・エデュケーション』(105min, 2004) LA MALA EDUCACION ペドロ・アルモドバル(Pedro Almodóvar, 1951- )の作品に登場する人物は、誰もが単純に割り切れない複雑さを備えている。単に来歴や趣味が複雑なだけではなく、図式的な映画でなら善/悪…

ストローブ=ユイレの映画『階級関係——カフカ「アメリカ」より』(紀伊国屋書店、2005/03、amazon.co.jp)が、「ストローブ=ユイレ コレクション2」として発売になった模様。 同作品は、フランツ・カフカの小説『アメリカ』を原作とし、台詞を改変すること…

アテネフランセ文化センター(東京)の4月の上映作品は、「刑事(でか)まつり」。 §「1.主人公は刑事」「2.上映時間は10分を1秒でもこえぬこと」「3.最低でも1分につき1回はギャグをいれること」。これらの三つの規則に従って競作されるショート…

★『拳銃は俺のパスポート』(日活, 84min) 監督=野村孝/脚本=山田信夫+永原秀一/原作=藤原審爾/撮影=峰重義/美術=松井敏行/出演=宍戸錠+ジェリー藤尾+小林千登勢+嵐寛寿郎+杉良太郎 抗争する二つの組織の一方に雇われ、敵対組織のボスを狙…

⇒作品メモランダム > 2005/01/27 > 『天使の恍惚』 http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/20050127#p8

#つづく

#つづく

#つづく

★『オーシャンズ12』() ブラッド・ピットのやんちゃな魅力とそもそも二時間枠に11人もメンバーはいらないだろう? という疑問(もひとつ言えばジュリア・ロバーツの歩く姿勢の悪さ)が印象に残った『オーシャンズ11』の、第二弾『オーシャンズ12』を観る。…

★『山猫は眠らない』(米, 100min, 1992[公開は1993], amazon.co.jp) SNIPER 米国海兵隊のヴェテラン狙撃者〔スナイパー〕トーマス・ベケット上級曹長(トム・ベレンジャー)の作戦行動を描いた映画。原題は "SNIPER"。 お上の命をうけて暗殺するターゲット…

★『LEFT ALONE 1』 #つづく

というわけ(http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/20050127#p8)で、若松孝二監督作品『天使の恍惚』(1972)公開時の世評を求めて資料を探す。

★『天使の恍惚』(90min, 1972) 互いを「十月」とか「秋」などの暗号名で呼び合う革命軍事組織「四季協会」の活動が描かれる。 この組織の構成は、「一年」を頂点として四季の司令官(春・夏・秋・冬)がおり、それぞれの季節のしたに三ヶ月ずつの隊長が所…

★『エンドレス・ワルツ』(日本, 1995, 102min) 稲葉真弓の小説『エンドレス・ワルツ』(河出文庫、amazon.co.jp)を原作とする映画。監督は若松孝二。サックス・プレイヤー阿部薫(あべ・かおる, 1949-1978, 演者=町田町蔵)と元女優で作家・鈴木いづみ(…

これから行きたい映画を備忘まで。右写真は、ジガ・ヴェルトフ『カメラを持った男』(Человек с киноаппаратом, 1929, 75min)。 ⇒特集ロシア・ソビエト映画クラッシックス http://www.athenee.net/culturalcenter/schedule/2005_01/russia01.html アテネフ…

★『第七官界彷徨――尾崎翠を探して』(1998) ヴィデオで浜野佐知監督の『第七官界彷徨――尾崎翠を探して』を観る。 映画は主に三つの部分から成っている。第一は、尾崎翠(おさき・みどり, 1896-1971)の小説「第七官界彷徨」を原作とする小説の部。第二は、…

★『LEFT ALONE ダイジェスト版』(2004, 33min) 「アンダーグラウンド・ブック・カフェ vol.4」というイヴェントで上映された井土紀州監督作品『LEFT ALONE』(2004)のダイジェスト版とそれにつづく絓氏による講演を観覧する。 #つづく(映画と講演内容に…

★ポール・ダンカン『スタンリー・キューブリック全仕事 映像詩人1928-1999』(TASCHEN)#0061 キューブリックの全作品について、その制作過程を含む多数のカラー写真で構成。

★ジャン=リュック・ナンシー『映画の明らかさ アッバス・キアロスタミ』(上田和彦訳、松籟社、2004/10、amazon.co.jp)#0060 Jean-Luc Nancy, L'Évidence du film, ABBAS KIAROSTAMI(Yves Gevaert Éditeur, 2001)

★長谷正人『映像という神秘と快楽――〈世界〉と触れ合うためのレッスン』(以文社、2000/12、amazon.co.jp)#0058 Internet Photo Magazine 連載のエッセイ。 ⇒Internet Photo Magazine http://www.ipm.jp/index-j.html