marginalia

本のしぶとさ

次に刊行する予定の『夏目漱石『文学論』論(仮題)』(幻戯書房)の作業も大詰めで、目下は同書の附録としてつける「『文学論』110年の読解」という文書をこしらえている。 これは、1907年に『文学論』が刊行されて以来、同書について誰がどのような評価を…

マルジナリアのあるニュートン『光学』

マルジナリアのあるニュートン『光学』(英語版) Opticks: or, A treatise of the reflexions, refractions, inflexions and colours of light. Also two treatises of the species and magnitude of curvilinear figures (1704) "Parker, Theodore, 1810-1…

新連載「マルジナリアでつかまえて」(『本の雑誌』)

『本の雑誌』2017年10月号(本の雑誌社)は、「2017年、新訳の旅!」特集。 新訳して欲しいと思う本かー。 ミシェル・フーコーの『言葉と物』、そろそろいかがでしょう。 今回から、同誌で「マルジナリアでつかまえて」という連載を始めました。 第1回は「わ…

サミュエル・ベケットのマルジナリア

twitterで、サミュエル・ベケットの全蔵書デジタル版のデモを見られることを教えてもらう。蔵書の構成もさることながら、マルジナリアの資料としても注目したい。 それにしても、作家たちも、よもや自分の蔵書や余白への書き込みが後に公開・共有されるとは…

ハンナ・アレントのマルジナリア

ハンナ・アレント(1906-1975)の蔵書がpdfで公開されているようです。 例えば、アリストテレス『ニコマコス倫理学』の英訳版、Aristotle, Nicomachean Ethics (Translated, with introduction and notes by Martin Ostwald, The Bobbs-Merrill Company)のペ…

余白学事始

書物史の一角に、人がどのように書物を使ったかを研究する領域がある。2007年の暮に刊行された ウィリアム・シャーマン(William H. Sherman)の新著Used Books: Marking Readers in Renaissance England(University of Pennsylvania Press, 2008, ISBN:081…