読むことと分かること


橋本治小林秀雄の恵み(一)」(『新潮』2004年01月号)

「読み手である私が「小林秀雄を読む」とは、私にとって必要なところ、分かるところだけを拾って読むのに過ぎない。「私の読んだ小林秀雄」は、「小林秀雄の語ったこと」の一部に過ぎない。「私の分かったところ」に「私の分からないところ」を合わせて、それが「小林秀雄の語ったこと」である」


そしてそのことを人はしばしば忘れがちである。