菅野よう子攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX O.S.T.+』(VICL-61231, Victor, 2004/02, amazon.co.jp



TVシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』のサウンド・トラック。Origa がロシア語で歌うオープニング・テーマ「inner universe」を聴きたくて。菅野よう子が作る楽曲は、聴いていると「おお、これはどこかで聴いたような」という記憶のなかの音楽が呼び寄せられる。「あ、これはエアロスミスのあれみたい」とか「おぉ、MR.BIGだわ〜」とか「エリック・ドルフィーグリーン・ドルフィン・ストリートでは」などなど。模倣みたいだからけしからん、とかそういうことではなくって、この人のアルバムをあれこれ聴くといろんな方向の音が出てくるので、こう自分の音楽の記憶がかきまわされる感じがいいのですね(ただし、「あ”あ”、この音は知っている知っている知っているぞう、だのに思い出せないぃぃぃ」というもどかしさをしばしば味わうことにもなるわけですが)。


ゲーム開発の現場にもアレンジがとってもうまくて、「ねぇ、タランティーノの『フォールームス』のオープニング・アニメにつけてたあの曲みたいなのがほしいんだけど」とリクエストすると、ひどく簡単に作ってくれる人がいます。創作行為が模倣からはじまることを考えればこれは驚くことでもなんでもないんだけど、街でいやでも耳にはいってくるへぼい歌(街頭演奏ではなくって放送ね)を聴いていると、しっかり模倣するところからはじめたほうがええんではなんて思ったりして。でも『サイゾー』に載っていたどこぞのひとのように、歌詞をまんまぱくったりするのはどうかと思いますが。