佐藤卓己言論統制――情報官・鈴木庫三と教育の国防国家』(中公新書1759、中央公論新社、2004/08、amazon.co.jp


「言論界で「小ヒムラー」と怖れられた軍人がいた。情報局情報官・鈴木庫三少佐である。この「日本思想界の独裁者」(清沢洌)が行った厳しい言論統制は、戦時下の伝説として語りつがれてきた。だが、鈴木少佐とはいったい何者なのか。極貧の生活からの刻苦勉励の立志伝。東京帝国大学で教育学を学んだ陸軍将校。学界、言論界の多彩なネットワーク。「教育の国防国家」のスローガン。新発見の日記から戦時言論史の沈黙の扉が開かれる」



高階秀爾『日本の美を語る』(青土社、2004/08、amazon.co.jp


雑誌『日本の美学』に掲載された対談の集成。対談者とタイトルは以下のとおり。


・小島孝之+高階秀爾田中優子丸谷才一「尽くしの宴」
大岡信大橋良介高階秀爾「短詩の言語――屏風絵・和歌・俳句」
・秋山虔+今道友信+河竹登志夫高階秀爾「引用――表現の拡大と新生」
・秋山虔+今道友信+河竹登志夫高階秀爾「笑いの文化誌」
高階秀爾山口昌男「「見立て」と日本文化」
大橋良介高階秀爾田中優子+橋本典子「年中行事の文化論」
大橋良介河合隼雄高階秀爾「死=再生の諸相」
高階秀爾田中優子山口昌男「橋と象徴――記憶としての文化・市場」
大橋良介+佐野みどり+高階秀爾芳賀徹「水の感覚と表現――絵画・文学・思想」
磯崎新高階秀爾+橋本典子「光の造形化をめぐって――建築・芸術・文化」
磯崎新河竹登志夫高階秀爾+橋本典子「「間」――関係性を創出するエネルギーの場」



立花隆『シベリア鎮魂歌――香月泰男の世界』(文藝春秋社、2004/08、amazon.co.jp


「シベリア・シリーズ」全57作品の解釈を試みる講演と文章。立花隆香月泰男ゴーストライターとして書いた「私のシベリヤ」(1970)も第一部として再録されている。


メルヴィル『白鯨(上)』(岩波文庫赤308-1、岩波書店、2004/08、amazon.co.jp
 Melville, MOBY-DICK or THE WHALE (1851)


新訳。阿部知二訳の旧岩波文庫版も訳の文体が味わい深いものだった。新訳は三分冊。


鈴木裕子編『山川菊栄評論集』(岩波文庫青162-3、岩波書店、1990/10、amazon.co.jp


章立てはこんなふう。


・I  女の立場から
・II  無産階級の女性運動
・III 戦時下の抵抗
・IV  日本の民主化と女性



★エドモノド・ハミルトン『キャプテン・フューチャー全集1――恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近!』(野田昌宏訳、創元SF文庫、東京創元社、2004/08、amazon.co.jp
 Edmond Hamilton, CAPTAIN FUTURE AND THE SPACE EMPEROR / CALLING CAPTAIN FUTURE (1940)


「太陽系9惑星を揺るがす数々の怪事件に決然と立ち向かう一人の青年。かれこそはキャプテン・フューチャー、科学の天才にして正義の守護者である。この冒険家が、鋼鉄ロボット、合成人間、生きている脳の三人の仲間とともに八面六臂の大活躍を繰り広げる! SFの黄金時代に華々しく登場し、圧倒的支持を集めたスペース・オペラの記念碑的名作シリーズ全11集の合本版で贈る」


レンズマン・シリーズの新訳(全7巻)につづき、キャプテン・フューチャー全作品を時系列順に収録したキャプテン・フューチャー全集(全11巻)が刊行開始。装幀画は鶴田謙二。って興奮しているのはわたしだけですかそうですか。


池内紀『となりのカフカ』(光文社新書164、光文社、2004/08、、amazon.co.jp


読むかなどうしようかなと迷ったのだったけれど、目次の「第4章 メカ好き人間」「第5章 健康ランドの遍歴」「第6章 手紙ストーカー」といった言葉に負けた(いや勝負ではないわけだが)。