池谷裕二『進化しすぎた脳――中高生と語る[大脳生理学]の最前線』朝日出版社、2004/10、amazon.co.jp


脳研究者・池谷裕二さんが、中高生八人を前に行った脳についての講義録。

「高校生レベルの知識層に説明して伝えることができなければ、その人は科学を理解しているとは言えない」とは物理学者ファインマンの言葉です。この意味で、今回の一連の脳科学講義は私にとって試金石でした。

(同書、p.9)


ときおり生徒から出る質問や意見もおもしろく、読みながら自分も質問やつっこみをいれたくなりますね、この形式。


目次は以下のとおりです。

・第一講 人間は脳の力を使いこなせていない
・第二講 人間は脳の解釈から逃れられない
・第三講 人間はあいまいな記憶しかもてない
・第四講 人間は進化のプロセスを進化させる
・[付論]行列をつかった記憶のシミュレーション


脳のしくみを詳しく説明しているにもかかわらず、類書にありがちな「細かすぎて実感がわかないまま説明だけを読まされる無味乾燥な感じ」がまったくなく、興味を持続したまま読了しました。


装幀は拙著でもお世話になったアリヤマデザインストア。


朝日出版社 > 『進化しすぎた脳――中高生と語る[大脳生理学]の最前線』
 http://www.asahipress.com/2004/shinka.html