★ポール・ド・マン『美学イデオロギー』(上野成利訳、平凡社、2005/01、amazon.co.jp)#0117
Paul de Man, Aesthetic Ideology(edited with an introduction by Andrzej Warminski, University of Minnesota Press, 1996)
ポール・ド・マン(Paul de Man, 1919-1983)の没後、アンジェイ・ウォーミンスキーによって編まれた論文集。本書は、ド・マンが生前に計画しながら未完に終わった第三の著書『美学、レトリック、イデオロギー』に組み込まれる予定だった論考を中心に編まれている。目次は以下のとおり。
・アンジェイ・ウォーミンスキー「編者序論――指示作用のアレゴリー」
・「メタファーの認識論」
・「パスカルの説得のアレゴリー」
・「カントにおける現象性と物質性」
・「ヘーゲルの『美学』における記号と象徴」
・「ヘーゲルの崇高論」
・「カントの唯物論」
・「カントとシラー」
・「アイロニーの概念」
・「レイモンド・ゴイスに答える」
ド・マンの邦訳書には、本書のほかに、『ロマン主義のレトリック』、『理論への抵抗』がある。
生前に刊行された主著、『盲目と洞察』Blindness and Insight: Essays in the Rhetoric of Contemporary Criticism (1971) と 『読むことのアレゴリー』Allegories of Reading: Figural Language in Rousseau, Nietzsche, Rilke and Proust (1979) は未訳。入門書としては、マーティン・マックィラン『ポール・ド・マンの思想』(新曜社、2002)がある。
#つづく