■001:ゲームの構成要素


ヴィデオ・ゲームは何から出来ているか?


わかりきったことのようだけれど、きちんと考えてみようとすると存外メンドウくさい。


まず、ヴィデオ・ゲームをプレイするために必要な各種装置がある。映像を映すためのモニター装置+スピーカー、ソフトウェアを動かすためのハードウェア(PCやゲーム機)、プレイヤーが操作を行うためのコントローラ。そして、ソフトウェア。おおざっぱに言えば、ゲームはこうした装置から構成されている。


つづいて実際にゲームがプレイされている場合を想定しながら、さらにゲームの構成要素を考えてみよう。いま、目の前で熱心にゲームをプレイしているひとがいるとする。彼/彼女は、一心にモニターを見ながら、コントローラに両手を添えて左右の親指や人差し指をつかってボタンを押している。画面にはゲームの様子がグラフィックスで表現されており、それと同期をとるように音楽(BGM)や効果音(SE)が聴こえている。


さて、このゲームとプレイヤーが行っていることを観察すると、そこにはどんな要素があるだろうか。おおざっぱに言うと、入力出力という要素があることがわかる。


と言ったら、いきなり抽象的に聴こえるかもしれないけれど、要するにつぎのようなことだ。


入力とは、プレイヤーからゲームに向かう信号のこと。つまり、たとえばコントローラのような入力デヴァイス(入力装置)を介して行われる操作のことで、コントローラから入力された信号が、ゲームのプログラムによって解釈されることになる。いまあなたがパーソナル・コンピュータをお使いだと思う。そのさい、キーボードから文字を入力したり、マウスを動かすことが入力である。


出力とは、映像(グラフィックス)、音(BGM、SE)、振動など、ゲームからプレイヤーに対して提示される信号のこと。信号はそれが出力されるデヴァイス(出力装置)において各種表現に変換される。パソコンの操作で言えば、キーボードを打ったときに画面に文字が表示されることが出力の例である。


外見からわかることで言えば、ゲームを構成する要素はこうした入力と出力である。入力も出力も、入力デヴァイス/出力デヴァイスのデザインによってさまざまな入力/出力がありうる(これについては別途検討する予定)。


と言ってもここまでのことなら、リモコンでTVやオーディオ機器を操作する場合とあまりかわらない。では、ゲームとTVの操作では何が違うのか?


ゲームの特徴は、上記した入出力を制御するソフトウェアと、それが実現するゲームのルールにある。少し先回りして言うと、ゲームとはルールの束であり、そのルールにそって展開される変化のことなのだ。


(次回につづく)