en-taxiNo.09、SPRING 2005(扶桑社、2005/03、amazon.co.jp)#0339


大特集は「落語の覚悟——因果と漂白の讃歌」福田和也氏が立川談志師匠と談春師匠を迎えた鼎談を皮切りに落語関連の文章があれこれと。このあたりは、他の文芸誌ではなかなか見られないネタのふりかたで頼もしく拝読。


特集「ハルキ・ムラカミの闇降る世界」では、先日、新潮社から『「象の消滅」短篇選集 1980-1991』(新潮社、2005/03、amazon.co.jp)——1993年に Knopf社から刊行された『The Elephant Vanishes』の日本語版——を刊行した村上春樹がテーマ。ジョン・アップダイクによる『Kafka on the Shore』〔『海辺のカフカ』英訳版〕(amazon.co.jp)評ほか。



しかし、個人的にもっとも嬉しかったのは、もうひとつの特集草森紳一 雑文宇宙の発見者」。昨年末、ユリイカ連載原稿をまとめた荷風永代橋青土社、2004/12、amazon.co.jp)を上梓した草森紳一(くさもり・しんいち, 1938- )氏ご本人の筆になる「ベーコンの永代橋ほかで構成。「いま、私たちが読むべきはJ・J(ジンイチ)ではなく、シンイチなのだった!」とは特集扉の言葉。草森氏はQJ誌にも連載中。


坂本忠雄氏と坪内祐三氏による連載インタヴュー「文学の器」も毎号興味深い。今回のゲストは、黒井千次(くろい・せんじ, 1932- )氏。


別冊附録として、唐十郎の戯曲「鉛の兵隊」がついている。


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