双葉十三郎『映画講座 第1巻 映画の歴史』三笠書房、1952/06)#0359


順序が逆になったが、第1巻は「映画の歴史」がテーマ。映画の歴史といっても1952年当時だから、いまの半分強程度の範囲である。


第2巻の「世界の映画理論」が欧米と日本に限定されていたのに対して、本巻は言及する国(そう、国単位である)がやや広い。以下のとおり。

双葉十三郎「映画の歴史」
・岸松雄「日本映画史」
岡俊雄「アメリカ映画史」
・上野一郎「イギリス映画史」
・岡田真吉「フランス映画史」
飯島正「イタリア映画史」
野口久光「独墺映画史」
袋一平「ロシヤ・ソヴェト映画史」
・筈見恒夫「中国映画史」
植草甚一「スウエーデン映画史」
植草甚一デンマーク映画」〔ママ〕
植草甚一「メキシコ映画史」
・和田矩衛「年表」


年表は、1951年までの各国映画が掲載されている。


ところで、この「映画講座」は全4巻構成で、残る第3巻と第4巻は、映画作家、映画技術に関するものであるらしい。いつか繙読する機会があったらまたメモをつけたい。


この叢書、いま編纂するとしたらどういう執筆陣と構成になるだろうか。