ベルギー象徴派展』(2005)#0371


Michel Draguet
同展覧会のカタログ。展示作品の図録のほか、本展覧会の構成を担当したブリュッセル自由大学教授・ミシェル・ドラゲ氏による50ページ近いヴォリュームのある解説、関連年表、文献表が収録されている。


ドラゲ氏の論文は、ベルギー象徴派の流れを通時的に記述するとともに、文学や音楽その他文化の諸領域との共時的な交流についても筆を割いておりたいへん参考になる。のだが、大急ぎでつくったのか、八人の訳者による訳文の質が章ごとにまちまちであること、訳語の統一がなされてないことなどから読みづらい点が残念である(瑣末なことだが固有名の独得の表記も気になる)。仏語原文が併載されているので、意味不明の訳文については原文を参照できるのが救いだろうか。


⇒Université Libre de Bruxelles(仏語)
 http://www.ulb.ac.be/homepage.html