泡音楽


アンゲロプロスの新作『エレニの旅』を観にいったら、ジャン=リュック・ゴダール『Notre Musique』予告編が流れていた。


日本でも日仏学院などで先行的に上映されているこの作品、秋には一般公開される様子で未見のわたくしはいまから心待ちにしている一本だ(予告編もよかった)。


のだが、予告編の最後に表示された邦題をみて映画館のイスからすべりおちたのであったよ。映画中にも登場するゴダールの低い声で二度ほど、Notre musiqu と繰り返されたあとで邦題が表示される。


その名も――


「アワー・ミュージック」
(ガビーーーーーーーン)


なるほど原題は「Notre Musique」(仏語)なのだから、それを英語に訳せば「Our Music」でよろしい。


しかし、なにゆえに、その英訳をさらにカタカナにして「アワーミュージック」とせねばならぬのか(GAGAのサイトでは一応「仮題」となっている)。


カタカナがよろしければ「ノートル・ミュジック」でよかろうし、仏語はどうしてもイヤ、ということなら「我らの音楽」とすればよいのではないか。だけれど、「アワー・ミュージック」は堪忍してほしい。


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