さよなら、さよならハリウッド(113min, 2002)
 HOLLYWOOD ENDING


ウディ・アレンWoody Allen, 1935- )、2002年の作品。


かつてはアカデミー賞にも輝いた映画作家ヴァル・ワックスマン(ウディ・アレン)もいまでは時代がかわって落ち目の売れない男。そこへ元妻でいまは映画プロデューサーのエリー(ティア・レオーニ)からリメイク大作(『眠りなき街』)の話が持ち込まれる。エリーのいまのフィアンセであるハル(トリート・ウィリアムズ)が重役をつとめる制作会社ギャラクシー・ピクチャーズからの依頼だ。


芸術肌の元巨匠映画作家とその元妻の映画プロデューサーとその現フィアンセの重役。これだけ揃えば事態がこじれるのは火を見るより明らか。映画と恋とお金をめぐってただでさえややこしいところに、(予告編にもあったように)ヴァルが心因性の盲目を患うという映画作家としては最悪のハプニング。これ以上はありえない(?)ほど最低の条件下(ラ・マンチャの男テリー・ギリアムさえまだましに見える、といったら言い過ぎか?)、結局、目が見えないまま映画を撮り続けるヴァルなのであったが……。


ありえないほどハッピーな「ハリウッド流のエンディング」というタイトルはもちろんのこと、いまどきの大作は監督の首がすげかわっても出来上がる映画にかわりはないんじゃない? というウディ一流の皮肉は、返す刀で映画批評も袈裟斬りに。


⇒日活 > 『さよなら、さよならハリウッド
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