フランク・ロイド・ライト+ルイス・マンフォード『ライト=マンフォード往復書簡集 1926-1959』(富岡義人訳、鹿島出版会、2005/05、amazon.co.jp

きっかけは一通の手紙であった。人生の苦難に弄ばれる建築家が、駆け出しの批評家に呼びかけたその言葉は、喜びと怒り、激突と和解を繰り返しながら、壮大な叙事詩へと膨らんでゆく。建築家フランク・ロイド・ライトと批評家ルイス・マンフォードは、ともに情熱的な書き手であり、世界の動向をはっきりと自覚していた。本書に納められた百六十通の手紙は、アメリカ建築の独自性、友人や対抗者たちの群像、国際様式の輸入と瀰漫、自然と人間、芸術の本性に至る幅広い話題を語り合った、美しくも鮮やかな精神の結晶である。
 戦火が世界を飲み込もうとしていた一九四〇年代初め、孤立主義に対する見解の相違が、手紙の往来に十年の断絶をもたらす。友情が復活した時、ふたりは全く異なる立場にあった。老境においてなお創造力の絶頂にあったライトは、アメリカ建築の泰斗と仰がれ、マンフォードは円熟した文明論者として、冷戦に抗らいながら人間性の復興に全力を注いでいた…

amazon.co.jp > 出版社からの内容紹介より)


鹿島出版会
 http://www.kajima-publishing.co.jp/