★ヴェロニク・パテヴ編『What is OMA——レム・コールハースとOMAについての考察』(橋本啓子訳、TOTO出版、2005/05、amazon.co.jp

レム・コールハースが率いるOMAは近年完成したシアトル公立図書館、プラダの一連のプロジェクト、そしてこれまでにない特異な高層建築であるCCTV:中国中央電視局(2008年の完成予定)など今建築界の話題を独占しています。なぜ目が離せないのか? 本書では現代社会における彼らの位置付けが解明されています。


本書は、OMAとベルリン国立美術館が共同で企画した展覧会「コンテンツ」(世界各地巡回予定)の開催にあわせてオランダ建築博物館出版(Nai Publishers)から発行された書籍の邦訳版です。建築分野のみならず、文化哲学、現代美術、SF小説などの多分野から選ばれた国際的に名高い執筆陣が、社会的・経済的発展の視点からOMAの仕事を分析することによってレム・コールハースとOMAが担っている役割と意義を明快に洞察した評論集です。


1章「軌跡(Orbit)」ではコールハースが付与した建築家の新しい意味、彼とオランダの伝統との関わりについての考察、2章「方法(Method)」ではOMAの作品の視覚的・美学的役割を現代文化の視点からの分析、3章「領域(Area)」ではOMAの作品を現実との概念との関わり、OMAの分身AMOの活動についてが検証されています。


原書は、ヨーロッパではすぐに増刷になるほど大好評を博しています。その理由を「本書は一見ばらばらな断片のように見えるコールハースの建築や陳述、リサーチを体系的に把握する手引きとなり得たためであろう」と訳者である橋本氏は語っています。

amazon.co.jp 出版社からの内容紹介より)


⇒OMA(英語)
 http://www.oma.nl/