シュルレアリスムと画家叢書 骰子の7の目』河出書房新社


今年、創業120周年を迎えるという河出書房新社が120周年を記念した出版プロジェクトを発表している。


その第一弾は、「骰子の7の目」*1の増補新版。叢書名「シュルレアリスムと画家叢書」と題されており、シュルレアリスムの画家たちを一人一冊で解説したもの。もともと、1973年から1978年にかけて刊行された全11巻+別巻1のうち、今回の増補新版では、6巻を選び再編集しているとのこと。


叢書全体の編者は、ジャン・ソセ。日本語版の監修は瀧口修造。彼が同叢書に寄せた文章は、今日、『コレクション瀧口修造 第3巻』みすず書房、1996)に収録されている。


以下は、前回刊行されたヴァージョンのリスト。末尾に「*」を付した巻が今回増補版として刊行される書目。


★ルネ・パスロン『第01巻 ルネ・マグリット(巌谷国士訳、1973)*
★サラーヌ・アレクサンドリア『第02巻 マックス・エルンスト大岡信訳、1973)*
★サラーヌ・アレクサンドリア『第03巻 ハンス・ベルメール澁澤龍彦訳、1974)*
★レイモン・シャルメ『第04巻 クロヴィス・トルイユ』種村季弘訳、1974)
★アントワーヌ・テラス『第05巻 ポール・デルボー』(与謝野文子訳、1974)*
★サラーヌ・アレクサンドリア『第06巻 マン・レイ宮川淳訳、1975)*
種村季弘編訳『第07巻 F.S-ゾンネンシュターン』(1976)*
★カタリン・デ・ヴァルタースキリヒェン『第08巻 パウル・クレー矢川澄子訳、1978)
★ダニエル・マルシュソー『第09巻 イヴ・タンギー飯島耕一訳、1978)
★ラドヴァン・イヴシュク『第10巻 トワイヤン』(巌谷国士訳、1978)
★ジェラール・ズリゲーラ『第11巻 ウィフレード・ラム』(与謝野文子訳、1978)
★マックス・ワルター・スワーンベリ『別巻』澁澤龍彦訳、1973)


なかなか他では類書を見かけないラムやスワーンベリも再刊していただけまいか。


河出書房新社は、1886年(明治19年)岐阜成美堂東京支店として開業し、教育書や農業書を刊行。1930年(昭和5年)に河出書房に改称。二度の倒産(1957年、1968年)を経ながら、河出書房新社として再生して現在に至る。文学、思想、美術を中心に、現在は幅広いジャンルの出版活動を展開している。


河出書房新社 > 創業120周年記念出版
 http://www.kawade.co.jp/special/project120/index.html

*1:骰子は6面よ。「8面(12面、20面、100面なら7ぐらい出るじゃん」というツッコミは禁止の方向でひとつ。