坂本龍一監修による「音楽全集」「commmons:schola」(全30巻予定)の第1巻が2008年9月24日発売予定のようです(RZCM-45961, \8,925, ISBN:B001CCHIU0)。

scholaとはラテン語で学校を意味し、commmons:scholaはアカデミックであると同時にcommmonsらしい視点で音楽を俯瞰する「音楽全集」というユニークな今ぴれーション・シリーズです。坂本龍一の完全責任監修のもとcommmonsならではの選者によりセレクトされた楽曲をコンパイルしたCDが、教育的な視点を持ち、音楽の成り立ち、歴史的背景を網羅した120ページのブックレットと一体化した今作は、百科事典や古典文学全集のような重厚な質感のパッケージによる高付加価値商品。次世代に手渡して行く価値を持つ「音楽の百科事典」です。

(下記ウェブサイトより転載)


mp3ファイルで音楽を手軽に持ち歩いたり聴いたりできる昨今、至極便利な一方で、コンテンツが文脈を外れたまま、ふわふわとあちこちで乱舞しています。それはそれで悪くないのだけれど、他方では古今東西ジャンルを問わず乱れ飛ぶ音楽に、自分なりの脈絡をつけておくことも、音楽の愉しみを深めるうえでは肝要であると思います。


映画『ドラゴン・キングダム』で、ジャッキー・チェンが弟子に向かって「クンフーを学びたければ型を身につけろ。だが型にとらわれるな」(大意)と言っていましたが、これはいろいろなことにも言えそうです。


それはさておき、見たところこの「commmons:schola」シリーズは、そのモノとしてのかさばり方から推察するに、音楽の地図を脳裏に描くときに、誰がなんと言おうと音楽史の屋台骨をなしているものを、物質の重みともども私たちの居場所に鎮座させてしまおうという試みであるように推察されます。


人によってはハードディスクにコピーしたら不要になってしまうCDとはちがって、たとえ音楽は別の場所へ移したとしても、ブックレットに編まれた情報を消化しきれないうちは手放し難いにちがいありません。また、このCDの規格とは異なる物塊そのものを手にしたら、その感触自体がその内容物とともに記憶に刻まれるのでしょう。


第1巻は、坂本龍一セレクトによるJ.S.Bach。サイトでは、収録予定の曲目も公開されています。


⇒commmons > commmons:schola
 http://www.commmons.com/index.html#artists/schola/disco


NAXOS MUSIC LIBRARY
 http://ml.naxos.jp/
 音楽の百科事典といえば、ナクソスの音楽ライブラリーも便利です。