お久しぶりです


気づけばすでに4月も半ば過ぎ。いかがお過ごしでしょうか。


ブログ再開にあたって、近況をご報告します。


2008年は、


デバッグではじめるCプログラミング』翔泳社ISBN:4798114197


『ゲームの教科書』(馬場保仁との共著、ちくまプリマー新書ISBN:4480688021


というコンピュータ関連著作2冊を上梓しました。従来の『心脳問題』(朝日出版)や『問題がモンダイなのだ』(ちくまプリマー新書)、あるいはサールの『MiND』(朝日出版社、以上は吉川浩満との共訳著)といった哲学思想関連のラインとは別に、コーエーでのゲーム制作や目下専門学校でゲーム制作を教えている経験からこしらえた書物です。


そのほか、


物質と記憶のラプソーデイン――知のネットワークを組み替える」一橋大学大学院言語社会研究科紀要『言語社会』第2号)


「コミュニケーションの思想――バベルの塔からバベルの図書館へ」(『InterCommunication』No.65最終号、NTT出版、2008年05月)


「知りたがるにもほどがある? 科学者という人たち。」(『考える人』2008年夏号、新潮社、2008年07月)


「思想誌空間」(αシノドス、連載中)


『IC』NTT出版)アンケート


といった人文学や科学に関する文章を書いております。


2007年から始まった日経ビジネスオンラインの新書書評では、(概ね)人文系担当ということで2008年半ばで降板するまでに通算23本を書かせていただきました。この間、刊行される新書の書目は一通りチェックしていましたが、人文系と言えそうなものは量的にはあまりなかったように思います(「人文」とはなにか、という話はとりあえず措くとして)。


今年は、かねてよりご依頼いただいている哲学思想やゲームに関わるいくつかの著書・訳書をかたちにしてゆければと念じております。


遠からずお目にかけられるものとしては、新潮社の雑誌『考える人』次号特集「日本の科学者100人100冊」(2009年7月4日発売予定)にとりくんでいます。みなさんは、日本の科学者といったら、どんな名前を思い浮かべるでしょうか。


また、連載を7回目でいったん休止していたメールマガジン「αシノドス」の連載「思想誌空間」も近く再開の予定です。目下は、福澤諭吉における「思想」という概念の用法を確認しているところでした。日本語で「思想」という場合、いったいなにを指しているのか、というのが同論考での大きな関心です。日本篇が終わったら西欧篇に進む予定です。


大きめのところでは、一橋大学大学院言語社会科の武村知子さんのお声かけで始めた「新たなる百学連環」(仮称)というプロジェクトがあります。


簡単に言うと、諸学術を世界史的に眺め、そこから見えてくる学問の系統や分類の試みを整理して、一種の学術マップを作成するプロジェクトです。最終的には一枚の紙に学術連環図を表現できればという野望を抱いています。


専門学校では、今年から新たに「ゲーム史」という講義を始めます。ヴィデオゲームの歴史を辿りながら、ゲームにおいて変わったこと/変わらないことを確認していこうというもくろみです。また、「自主ゼミ」と称して読書会もスタートします。


当ブログでは、引き続き興味ある書物や映画や美術作品やゲームなどについて、覚え書きをつけてゆこうと思います。どうぞよろしくお願いします。