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西荻ブックマーク 第41回 リテラ・ウニヴェルサレス公開編集会議


ここしばらく「百学連環」というテーマについて、あれやこれやと考え続けています。


などと言えば、少しは格好もつくようですが、そもそも明治の啓蒙知識人・西周が、欧州の諸学術全体を概観してみせた講義「百学連環」に想を得て、古今東西学術と呼ばれてきた営みの全体を、時間的・空間的に総覧してみたら、何が見えるだろうかという大風呂敷を広げているのでありました。


例によって風呂敷を広げてばかりいたところ、武村知子さんから、「それをもうちょっと具体的にやってみるとどうなるの?」(大意)とツッコミをいただき、武村さんが所属する一橋大学大学院の言語社会研究科のプロジェクトとして、「新たなる百学連環」が始まりました。メンバーは、ディレクターの武村さんに加えて、編集者の郡淳一郎さん、グラフィック・デザイナーの白井敬尚さん、そして私の4名です。


同プロジェクトは、現代における百学連環の様子を、大きなポスターのような一枚の紙に図化しようという試みです。武村さんの指揮の下、図の元になる内容を山本が調べ、素描し、なかなか大量になるはずのテキストを郡さんが編集・校正し、白井さんに図像として美しく仕上げていただこうという次第。この試みは、山本の怠慢のためにまだ形になっておりません。


その後、一橋大学大学院にて、2009年の冬学期、半期にわたって百学連環に関する講義を担当させていただきました。そこでは、武村さんが反復しつつ展開している「メランコロジー」講義(それ自体、メランコリーをめぐる諸学の連環から、対象を浮かび上がらせようとする試みであります)とゆるやかに連環しつつ、両者の講義と連動するウェブサイトとして、「Litterae Universales」を構築し始めたわけです。


同サイトでは、一時、武村さんの講義に対応するパネルに、各種図像やテキストが展開されて、それは不思議ななにかが現れたのでしたが、目下は武村さんのご指示によって、それらのコンテンツは撤去しました。私のほうはといえば、第1回を掲載したきり、講義と連動せず、更新が止まっている状態です。


しかしながら、あまり他のウェブサイトでは見かけない仕掛けを考えており、これを十全に活用する形で、「百学連環」の試みを続けたいと念じております。つまり、サイトは今後も運営していこうと考えています。


さて、そんな説明したのは他でもありません。来る4月11日に、下記のようなイヴェントを開催することになっているからなのでありました。4人のメンバーで、同サイトについて公開編集会議を行うという趣旨です。


「Litterae Universales」を構築するにあたっては、4人で何度も顔を合わせて、議論と検討を重ねてきたのですが、なにしろ文学者の武村さん、編集者の郡さん、デザイナーの白井さん、プログラマー(兼文筆家)の小生という、来歴も専門もほとんど重なるところのないメンバーだけに、毎回お互いに思ってもみなかった問題が持ち上がるのです。


2009年と2010年の年末年始には、都合10時間近い編集会議を行い(これは起稿・編集を施して、機会があればお読みいただける形にしたいと思っています)、この議論の過程自体、こうしたウェブと紙とのあわいでなにかをこしらえようと考えている人や、そうしたことに関心のある人にも、ひょっとしたら興味のあることかもしれない、と思い、このつど木村カナさんのご協力を得て、このような形で編集会議と称する催しを行うことになったのです。


まだお席はあるとのことでしたので、遊びに来ていただけたら幸いです。当日は、ささやかながら、「百学連環」に関する若干の資料をお土産としてご用意したいと思っています。


第41回西荻ブックマーク

2010年4月11日(日)
公開編集会議!
『リテラエ・ウニヴェルサレス』は謎だらけ?


出演:武村知子山本貴光白井敬尚郡淳一郎
司会:木村カナ
会場:今野スタジオマーレ
開場:16:30/開演:17:00
料金:1500円
定員:30名
要予約


西荻ブックマーク > 第41回
 http://nishiogi-bookmark.org/2010/nbm41/


⇒リテラエ・ウニヴェルサレス
 http://litteraeuniversales.net/


一橋大学大学院のほうは、あと半期非常勤講師として務めさせていただくことになりました。今度は、芸術系基礎科目とのことで、学術(=学問・芸術=Science and Art)の「術」のほうに軸足を置いた講義を行いたいと考えています。この講義についても、「Litterae Universales」にいろいろ反映していきたいと思います。