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第2回 読書について





朝日出版社第二編集部ブログに「ブックガイド――書物の海のアルゴノート」の第2回を寄稿しました。


前回は前口上でした。今回から、ブックガイドを始めます。


最初のテーマは、「読書について」です。読書や書物を巡る環境が多様化している昨今、いまいちど「読書ってなんだ?」という前提から見直してみようという所存。


まずは、読書の方法を論じた四冊の書物から、読書について考えてみます。


自分自身は、これまで学校で本の読み方を教えてもらったことがないような気がします。文字の読み方や、古文、現代文の或る解釈の仕方は習いました。でも、そもそも読書とはどういうことであり、書物を使うとはどういうことなのかといった教育はなかったように思います。


結局のところ、我流でいろいろ試し、読書法と名のつく書物に出会うと端から手にとり、相棒の吉川君と読書会を行ったり、社会人になってから師である赤木昭夫先生との談話を重ねるなかで、「こんなふうに読めばいいかな」と一定の方法に落ち着いたのは、ここ10年くらいのこと。


思えば、古典ギリシア語に入門したことと、英語で書かれた書物の翻訳に取り組んだことは、日本語で書かれた書物を読むうえでも、大きな影響を被ったことでした。古典ギリシア語は、語順が比較的自由な言語なので、英語のように主語+述語+目的語といった決まった型が繰り返されたりしません。そのため、慣れないうちは(いまもですが)、文頭から語の品詞がなにかということを、一つ一つ丁寧に見てゆかないと読み解けないのです。


また、翻訳とは、一語たりとも読み飛ばすことなく、書かれているすべての言葉を読みとく営みでもあります。舐めるように文章を読み、行きつ戻りつを繰り返す営みで、これもある程度重ねて行ってゆくと、日本語を読む目も変わってくるように思います。


こうしたトレーニングを重ねるうちに、文章をよく読むということが(以前よりは)身についてきたように思います。目下、三省堂のワードワイズ・ウェブで連載している西周「「百学連環」を読む」などは、まさに同書を一字一句じっくり読むというもので、そうした古典ギリシア語や英語をゆっくり読むという実践の延長上でやっているようなものです。


もっとも、言うほどたいした読解力ではないので、半ば恥を忍んで公開読書を進めているようなものでもあるのでした。



「書物の海のアルゴノート」を掲載していただいている朝日出版社第二編集部ブログでは、新たに國分功一郎さんの連載が始まるようです。



また、連載中の中川惠一放射線のひみつ」(イラスト=寄藤文平)の書籍版も刊行された様子。福島原子力発電所の状況が収束しないなか、いまや放射線についての科学的・医学的な知識は、知らないでは済まされない教養であることが再確認されたと思います。同書は、予備知識ゼロの段階から、まずもって読まれるべき一冊です。


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