因果の網状図


この夏は、寺田寅彦の全集とScientific Papersをひたすら読むということをしておりました。


読みながら、一種の索引データベースをつくり、寅彦が言及したもの、読んだもの、見たもの、聞いたものを、ひとまとめに総覧できるようにしようという目論見です。


全集そのものにそうした索引があればよかったのですが、少なくとも今回参照した最新の全集には、索引がなかったため、自分で読みながらこしらえてみた次第。


その成果の一端は、来月刊行されるKAWADE道の手帖 寺田寅彦河出書房新社、2011/11/22発売予定)に寄稿したエッセイでお目にかける予定です。


それに付随して、誠信書房が発行している「誠信プレビュー」というPR誌(新刊書などの案内)の第133号に、「寅彦曼荼羅――因果の網状図」というエッセイを寄稿させていただきました。


寅彦が『物理学序説』のために手帖に描いた因果のモデル図をめぐって考えさせられたことを記したものです。南方熊楠のミナカタ曼荼羅を念頭に置きながら、「寅彦曼荼羅」と仮に名付けてみましたが、これについては今後ともよくよく考えてみたいと念じております。いや、ほんとに面白い図なのです。


「誠信プレビュー」は、紙版のほかに、同書肆のウェブでもPDF版が公開されています。下記リンクからご覧いただければ幸いです。


⇒誠信書房 > 「誠信プレビュー」No.133(PDF)
 http://www.seishinshobo.co.jp/files/pre-113.pdf