辞書――ことばによる世界の模型

 明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。



 季刊『考える人』(新潮社)の2013年冬号(No. 43)に連載「文体百般――ことばのスタイルこそ思考のスタイルである」の第9回「辞書――ことばによる世界の模型」を寄稿しました。


 第9回となる今回は、辞書の文体を俎上に載せています。シソーラスや類書といった辞書でのことばの配置とその条理、コンピュータ辞書の可能性、科学の文体とはまた違った意味で、書き手が姿を見せない辞書の文体を眺め味わっています。


 今回の原稿では取り上げられませんでしたが、ジョンソンやウェブスターの辞書では、書き手の姿がちらほら垣間見えることがわりと多くて、そんな項目に行き当たると、つい笑ってしまいます。とはいえ、現代の辞書でも、似たようなことはあって、「これはさすがに執筆者の偏見ではなかろうか」だなんてことも時々感じられることがあります。


 そうしたことも含めて、姿形から内容まで、辞書の文体について考えてみた次第です。


 また、同号は「眠りと夢の謎」という特集です。この特集の「眠りと夢の本棚」というコーナーに「思いのままに、我が夢を」という一文を書かせていただきました。エルヴェ・ド・サン=ドニ侯爵の『夢の操縦法』(立木鷹訳、国書刊行会ISBN:4336054940)のさわりをご紹介しています。


⇒新潮社 > 『考える人』
 http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/mokuji.html