『ルールズ・オブ・プレイ』下巻


お待たせしております、ケイティ・サレンとエリック・ジマーマンのゲームデザインルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎』ソフトバンク クリエイティブ)邦訳書下巻の刊行予定がようやく見えてきました。


目下は、初校のゲラを見直しているところです。ページ数は、上巻とほぼ同じ分量で、600ページを超えると思われます。


上巻の「ユニット1 核となる概念」「ユニット2 ルール」に続いて、下巻では「ユニット3 遊び」「ユニット4 文化」という二つの大きなテーマが論じられます。


「ユニット3 遊び」では、物語やシミュレーション、人づきあい(ソーシャル)といった観点から、プレイヤーが実際にゲームで遊ぶ場面でなにが生じているのかということを検討しています。ゲームを作るという場合、ついついシステムやルールのほうばかりに目を奪われてしまいますが、実際にはそうした仕組みを使って、プレイヤーがどんな遊びを経験するか、どういう楽しさを味わうかということが、なによりも重要なわけです。そのことをさまざまな角度から検討するのがユニット3です。


また「ユニット4 文化」では、ゲームを取り囲む文化という大きな文脈まで話が広がってゆきます。かつてコーエーでゲームを作っていた時、ゲームで使ういろいろな表現について、それが海外でどのように受けとめられるかといった問題について議論することがしばしばありました。ゲームは、単独で存在しているわけではなく、そこには文化が反映していたり、またゲームが文化の環境に影響を与えたりもしています。ユニット4では、文化の中のゲーム、ゲームと文化の関係がこれもまた多様な観点から検討されています。


まだ詳しい刊行日はお知らせできず申し訳ありませんが、もうすぐお目にかけることができると思います。下巻では、上巻で展開されたさまざまな概念や問題を縦横に参照しながら、さらに議論が深まって参ります。上巻をお読みいただいた方は、改めて読み直して、下巻への予習をしていただければ幸いです。


編集を担当してくださっている星野さんによると、上巻はだいぶ品薄になっているとのことでした。


下巻については、刊行時期がはっきりしたところで、またお知らせしたいと思います。


ソフトバンク クリエイティブ > 『ルールズ・オブ・プレイ』上巻
 http://www.sbcr.jp/products/4797334053.html