遊びを知り、知で遊ぶ――山口昌男、遊びの骨法


もうすぐ次号が出ようかというタイミングでなんですが、『ユリイカ』2013年06月号「特集*山口昌男――道化・王権・敗者」(青土社)に、「遊びを知り、知で遊ぶ――山口昌男、遊びの骨法」というエッセイを寄稿しました。

編集部からこの原稿のご依頼をいただいたのを機に、いままで未読だったものも含めて、山口昌男の著作や編書、訳書の全体に目を通してみました。

そうする中で、著作の随所において、「遊び」というものが持つ意味の大きさや、遊びをどう見立てていたかというその捉え方が示されていることに気づき、これをなんとか捉えてみようと書いてみたものです。

いまここでは見出しだけを拾うと、こんな構成です。

・はじめに――遊びというテラ・インコグニタ
・遊びは別世界を開く
・危機は潜在する
・潜在性に目を向ける
・いかにして無限を有限で押さえるか
・他の何ものかになる愉悦
・醒めつつ酔う技術

山口昌男の仕事に向かう上で、あるいは遊びという人類史上常に人間とともにあったであろう営みについて考えてみる際、ささやかな手がかりになればと念じております。

上記とは別に、ひょんな行きがかりで「山口昌男主要著作目録+重要著作解題」も担当しました。

「重要著作解題」では、たしか山口昌男経由で教えられたピーター・ゲイの愉しいビブリオグラフィカル・エッセイを念頭に、(あんなふうには参りませんが)いくつかの著作についてそれぞれ800字前後で文章を書いております。

拙著作目録は、急ごしらえで穴もあろうかと思いますが、川村伸秀氏による「山口昌男著作目録」『本の狩人 読書年代記』右文書院、2008、ISBN:4842107189、所収)と合わせてご活用いただければ幸いです。


山口昌男関連の近著としては、ちくま学芸文庫から、『山口昌男コレクション』(今福龍太編、ちくま学芸文庫、2013/06、ISBN:4480095594)が刊行されています。

全著作から精選された15篇で構成された同書は、山口昌男山脈への最初の足がかりとしても好適です。

⇒青土社 > ユリイカ > 2013年06月号
 http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791702558

⇒作品メモランダム > 梅棹忠夫ブックガイド
 http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/20110927