★大澤聡『批評メディア論――戦前期日本の論壇と文壇』(岩波書店、2015/01、ISBN:4000245228


03月27日に東京堂書店で行われる大澤聡さんとの対談に向けて、本書を改めて精読する所存。


■目次

序章 編集批評論
1 商品としての言論 ギルドから市場へ
2 批評のマテリアリスム 課題設定
3 出版大衆化 円本・革命・スペクタクル
4 ジャーナリズム論の時代 総合雑誌
5 時限性と非属領性 本書の構成


第1章 論壇時評論
1 論壇とはなにか 第一の課題設定
2 レジュメ的知性 総合雑誌の論壇時評
3 空間画定と再帰性 学芸欄の論壇時評
4 メディア論の予感 相互批評の交叉点
5 消滅と転生 自己準拠的なシステム


第2章 文芸時評
1 問題消費の時代 第二の課題設定
2 アリュージョンと多重底
3 後発者たちの憂鬱 自律した批評の誕生
4 複数化する宛先 文壇村という読者集団
5 職業としての批評 文芸批評のプロトコル


第3章 座談会論
1 ふたつの欲望 第三の課題設定
2 合評から討議へ 「新潮合評会」の変貌
3 劇場化とロールプレイ 行動主義論争
4 擬態の親密圏 『文学界』の文壇政治
5 造語の氾濫 メディア=形式の一義化


第4章 人物批評論
1 人物による時代診断 第四の課題設定
2 横断性と大衆性 普通選挙時代の批評
3 固有名消費 有名性生成のメカニズム
4 複数の表象様式 記号的身体とキャラ化
5 有名と匿名 現実的権威の発動


第5章 匿名批評論
1 スターシステム 第五の課題設定
2 精神か経済か フリーランサー論争
3 声と批評 輿論・社会化・カタルシス
4 責任の所在 学芸/文芸欄という例外圏
5 固有名化する匿名 名をめぐる四象


終章 批評環境論
1 速度 編集的批評/批評的編集
2 綜合 アカデミズムとジャーナリズム
3 再編 境界条件の壊乱と地殻変動
4 局外 いまはそれと名指されぬもの
5 集団 全体性はいかにして可能か



あとがき
人名索引


■書誌

著者:大澤聡
書名:批評メディア論――戦前期日本の論壇と文壇
ブックデザイン:中野豪
頁数:344+8pages
版元:岩波書店
発行:2015年01月
価格:2200円+税