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2016年の印象に残った本(刊行年不問篇)

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先日のゲンロンカフェでの鼎談では、2016年の人文書(2015年12月から2016年11月までに刊行された人文書)をご紹介しました。

ここでは2016年に出会った本から印象に残ったものをご紹介します。つまり、刊行年に関係なく、今年読んだ本からというわけです。ただし、ゲンロンカフェで配布したリストに入れたものは入れていません。

少しずつ更新します。

 

■芸術

★北澤憲昭+森仁史+佐藤道信編『美術の日本近現代史――制度・言説・造型』(東京美術、2014/01)

日本において西洋風の美術・芸術を移入するにあたり、言説や制度の側ではどのような試みや議論があったのか、という関心から手にした本。学術の各方面について同様の本があれば読みたいと思います。

 

 

★河内タカ『アートの入り口 美しいもの、世界の歩き方 [アメリカ編] 』(太田出版、2016/02)

★河内タカ『アートの入り口 美しいもの、世界の歩き方 [ヨーロッパ編] 』(太田出版、2016/09)

必ずしもよく知られているとは言えないものも含めて、美術に人の興味を惹くにはどうしたらよいだろうと、学校でものを教える際などに考えさせられます。本書の河内さんのやり方は軽やかで、楽しくて、美術についてこんなふうに話せたらいいなと思うものでした。まさに入り口にうってつけ。興味はあるけどどこから手を付けていいか迷う人たちに勧めています。

 

★Edited by Christina Scull and Wayne G. Hammond, The Art of the Lord of the Rings by J.R.R.Tolkien (Houghton Mifflin Harcourt, 2015/10)

トールキンが『指輪物語』の世界を描いたスケッチを集めた画集。圧巻。

 

『前田寛治画論』(昭森社、1946/10)

『郷愁のパリ1920年代=展「パスキンとエコール・ド・パリ」を中心に』(美術史探索学開館2周年記念号、目黒区美術館、1989/11)

前田寬治と彼らが留学した1920年代パリの芸術の状況についてあれこれ読んだ中で、この2冊が印象に残りました。前者は前田寬治が折に触れて書いた画論を集めたもの。

 

★Terryl Whitlatch, Principles of Creature Design : Creating Imaginary Animals (Design Studio Press, 2015/11)

 

■文芸

★イタロ・カルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』(脇功訳、白水uブックス、2016/10)
Italo Calvino: Letters, 1941-1985 (Translated by Martin McLaughlin, Princeton University Press, 2014/05)

 

★リディア・デイヴィス『分解する』(岸本佐知子訳、作品社、2016/06)
★Lydia Davis, Can't and Won't (Picador USA, 2015/03)
★Lydia Davis, The Collected Stories of Lydia Davis (Penguin, 2014/02)

 

★町田康『ギケイキ――千年の流転』(河出書房新社、2016/05)

 

★ゾラン・ジヴコヴィッチ『12人の蒐集家/ティーショップ』(山田順子訳、東京創元社、2015/11)

 

『定本 夢野久作全集 第1巻』(国書刊行会、2016/11)

 

■文化史・科学史

★Jack Lynch, You Could Look It Up: The Reference Shelf from Ancient Babylon to Wikipedia (Bloomsbury Press, 2016)

 

★Marcus Du Sautoy, What We Cannot Know: Explorations at the Edge of Knowledge (4th Estate, 2016)

 

★Sean Carroll, The Big Picture: On the Origins of Life, Meaning, and the Universe Itself (Dutton, 2016)

 

★Robin Hanson, The Age of EM: Work, Love, and Life when Robots Rule the Earth (Oxford University Press, 2016)

 

★Michael Gordin, Scientific Babel: The Language of Science from the Fall of Latin to the Rise of English (Profile Books, 2015/03)

 

★小山慶太『光と電磁気――ファラデーとマクスウェルが考えたこと』(講談社ブルーバックス)


■文学論

★夏目漱石『文学論』(上下巻、岩波文庫)
ここ何年か取り組んできた『文学論』論のために今年も『漱石全集』とともに読み続けておりました。以下の本も文学論関連で読んだもの。

 

★福田安典『医学書のなかの「文学」――江戸の医学と文学が作り上げた世界』(笠間書院、2016/05)

 

★Edited by Joe Bray, Alison Gibbons, Brian McHale, The Routledge Companion to Experimental Literature (Routledge Literature Companions, 2012/06)

 

★Edited by Ronan McDonald, The Values of Literary Studies: Critical Institutions, Scholarly Agendas (Cambridge University Press, 2015)

 

★Cesar Dominguez, Haun Saussy, and Dario Villanueva, Introducing Comparative Literature : New Trends and Applications (Routledge, 2015)

 

★Adam Hammond, Literature in the Digital Age : An Introduction (Cambridge University Press, 2016)

 

■ゲーム

★Katherine Isbister, How Games Move Us: Emotion by Design (MIT Press, 2016)

ゲームで遊ぶとき、プレイヤーに何が起きているのか。本書はとくに感情に焦点をあてて考察しています。これはこの先重要なテーマのひとつ。

 

★Philip Sabin, Simulating War: Studying Conflict Through Simulation Games (Bloomsbury Academic, reprent, 2014/06)

★Jon Peterson, Playing at the World: A History of Simulating Wars, People and Fantastic Adventures, from Chess to Role-Playing Games (Unreason Press, 2012/07)

シリアスゲーム(娯楽に限らない効果をもつゲーム)との関連でシミュレーションゲームやゲーム研究書を探して読んでいます。

 

★マイケル・ウィットワー『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス――想像力の帝国』(加藤諒訳、ボーンデジタル、2016/06)

最初のRPGであり、その後つくられるコンピュータRPGの基礎ともなった「Dungeons & Dragons」をつくったゲイリー・ガイギャックスの評伝。