ブックフェア「工作舎からはじまる3冊」

青山ブックセンター六本木店は、2018年6月25日で閉店とのこと。

私は目下勤めているゲーム会社のモブキャストが六本木にあることもあり、週に何度か会社に行くたび青山ブックセンターに寄るのを楽しみにしております。

それはそうと、同店で「工作舎からはじまる3冊」というブックフェアが始まりました。いま見たら、同舎にゆかりのあるみなさんに混ざって恐縮ですが、わたくしも選書いたしました。

工作舎は好きな本が多いので、おおいに迷って選びました。

お近くにお立ち寄りのことがありましたら、覗いてお楽しみいただければ幸いです。

 

「人文的、あまりに人文的」第19回

東浩紀さんが編集長を務めるメールマガジン「ゲンロンβ25」に、吉川浩満くん(id:clnmn)との連載書評対談「人文的、あまりに人文的」第19回を寄稿しました。

今回は翻訳にかんする2冊をとりあげています。

 

★エミリー・アプター『翻訳地帯――新しい人文学の批評パラダイムに向けて』(秋草俊一郎+今井亮一+坪野圭介+山辺弦訳、慶應義塾大学出版会、2018/04)

★河野至恩+村井則子編『日本文学の翻訳と流通――近代世界のネットワークへ』(アジア遊学216、勉誠出版、2017/12)

 

この連載は次回第20回で完結予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

「人生がときめく知の技法」最終回

吉川浩満くん(id:clnmn)との連載対談「人生がときめく知の技法」(webちくま)の最終回(第30回)が掲載されました。

「エピクテトス先生をアップデートする(その四)」と題して、この連載の中心テーマであるエピクテトス先生の「権内/権外」という考え方を、現代においてはどのように捉えて活用していけばよいかについて検討しています。

 

この連載で論じたエピクテトスの考え方は、吉川くんも私も長いあいだ愛読して、心に常備する重要なモノサシの一つとしてきたものでした。いつかもう少し詳しく検討してみたいものだと思っていたところ、筑摩書房の石島裕之さんの企画によって実現したのがこの連載です。

 

記事の冒頭にも書かれておりますが、この連載をヴァージョンアップして本として刊行する予定です。対談形式では込み入り過ぎて論じづらい点などについても必要なだけ追記したり、例えば、エピクテトスの『人生談義』からいくつかの文章を抜粋して新訳で載せたりしてもいいなあ。

 

――と書いてみて思ったのですが、ひょっとして吉川くんとの新作共著は、最初の『心脳問題』とその新版『脳がわかれば心がわかるか』を除くと、『問題はモンダイなのだ』(2006)以来かもしれません。

吉川くんとの共著は、もう1冊、以前『考える人』で連載した対談をもとにした本も予定されております。

 

また、石島さんの企画で『記憶のデザイン(仮題)』という記憶に関する単著も準備中です。

 

なにはともあれありがとうございました。

引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

最後のおまけに、連載開始時に描いたエピクテトス先生像(想像)を。

(タイトル画像にちらりと使われております)

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アントニオ・ネリ『ガラス製造術』(1612)

twitterからのメモ。

 

上記ツイートで紹介されている本は、Gallicaに電子版がある。

Antonio Neri, L’Arte Vetraria Distinta in Libri Sette (1612)

著者のアントニオ・ネリについては、『世界大百科事典』に「ネリ」の項目がある。

Antonio Neri 1576-1614

イタリアのガラス研究者。フィレンツェの修道士で,長年ベネチアのガラスの製造にたずさわり,その経験をもとに1612年《ガラス製造法》を公刊した。本書はガラス製造技法の宝典としてフィレンツェ,ベネチアで数回にわたって出版され,またヨーロッパ各国語に翻訳された。日本では江戸時代にオランダ語をもとに馬場佐十郎が訳した《硝子製造集説》に本書のことが記されている。[前田 正明]

この説明にある馬場佐十郎による訳書は、早稲田大学の古典籍総合データベースにデータがある。

『硝子製造集説』(渋江虬監試、馬場貞由訳述、書写年代不明)は、早稲田大学古典籍総合データベースにあった。「馬場佐十郎」での検索だと出てこないので見逃すところだった。「馬場貞由」の検索で出てくる。ありがたや。

http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/mu04/mu04_04715/index.html

 

『高校生のための ゲームで考える人工知能』刊行記念対談

2018年5月12日(金)に青山ブックセンター本店で、三宅陽一郎さんとの共著『高校生のための ゲームで考える人工知能』(ちくまプリマー新書)について対談を行いました。

三宅さんとこうして話すのは三度目くらいでしょうか。

同書では扱っていないニューロAIを含む人工知能の概要から、そのタイプ、得手不得手や限界について、ゲームとはなにか、遊ぶ人の経験とその設計、人工知能を鏡とした人間像、なぜ人工知能を考えるうえで哲学が必要なのか、サーヴィスと人工知能、人工知能と百学連環など、三宅さんごご用意くださったスライドと、山本がこしらえたメモ(当日配布)を使いながら、同書の範囲を超えて多岐にわたって検討する90分でした。

三宅さんの新著『人工知能のための哲学塾 東洋篇』(BNN新社)やマーカス・デュ・ソートイ『知の果てへの旅』(冨永星訳、新潮クレスト・ブックス、新潮社)などもご紹介しました。三宅さんによる「人工知能のための哲学塾」は、第3期も始まる予定とのこと。お楽しみに!

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(二人とも姿勢が悪い。撮影=吉澤麻衣子さん)

お越しいただきありがとうございました。

 

去年から続いてきた一連のイヴェントごとも、予定されていたものはこれにておしまい。静かな暮らしに戻りとうございます。

 

 

『先史学者プラトン』重版出来☆

4月8日に刊行したメアリー・セットガスト『先史学者プラトン』(國分功一郎序文、山本貴光+吉川浩満訳、朝日出版社)が重版となりました。ありがとうございます。

https://www.asahipress.com/goods_img/14253.jpg

訳者としては、とても面白い本だけど、どれだけ読んでもらえるかしらと少々不安でもありました。國分功一郎さんの、人をその気にさせずにはいない序文のおかげだと思います。

 

目下、

・東京堂書店神保町店

・青山ブックセンター本店

・青山ブックセンター六本木店

・ジュンク堂書店大阪本店

で、『先史学者プラトン』刊行記念ブックフェアを開催中です。

(上記はtwitterで確認できたお店)

 

 『先史学者プラトン』につながる三十余冊を選んで配布用リーフレットをこしらえました。お近くにお立ち寄りの際は覗いていただけましたら幸いです。

 

また、同書について2018年5月25日にジュンク堂書店池袋本店でイヴェントも予定されています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

『先史学者プラトン』刊行記念ブックフェア@東京堂書店

メアリー・セットガスト『先史学者プラトン』(國分功一郎序文、山本貴光+吉川浩満訳、朝日出版社)の刊行記念ブックフェアが、東京堂書店神保町店で始まりました。

吉川くんとともに三十数冊の本を選んでリーフレットをこしらえております(編集は同書と同様、大槻美和さん)。同店にお立ち寄りの際には、覗いていただければ幸いです。