ブログはなにをするものぞ

長いこと、このブログを放置してしまった。

自分のパソコンはもちろんのこと、インターネット上の各種サーヴィス(twitter, Facebook, Instagram, note etc.)を含み、コンピュータからものを書く場所があれこれあってややこしいことになって久しい。

いや、ややこしいのは仕組みではない。新しいサーヴィスが登場するたび、ものは試しと登録して使ってみる、ということを見境もなく繰り返すうちに、自分のほうでややこしくしているわけである。

いろいろなものでものを書いてみたあとで、改めてブログってなんだろうと考える。

もちろんブログがなんであるかは使い手次第。

ただいま現在の私の場合、次のようなものであるという気がしている。

・比較的他の人から独立した形の場所。(SNSがつながりの場所であるのに対して)

・自分のためのメモを書く場所。

・ただし、公開されたメモでもある。 

自分用のメモを公開することに、どんな意味があるかは読む人次第なので特に考えない。

ただ、ネットで調べ物をしているとき、かつてブログに書いたことが検索結果に出たりすると、そんなふうに参考になる人がいるかもしれないと感じることもある。

というわけで、とりあえず行った仕事(のうち公開できるもの)を記したプロフィール欄と、近況のおしらせのエントリーを更新してみた。

角田真弓『明治期建築学史』

気になる本のクリップ。

 

角田真弓『明治期建築学史』(中央公論美術出版社、2019)

現在の「建築学」はいかに形成されたのか。
明治期の西洋建築の移入と西洋技術・情報の受容過程を、一次資料の丹念な分析から跡付ける。近代工学教育における建築教育の特性、 建築学の学問的領域の確立、建築とその関連領域(「工芸」「図学」「図案」)との境界を明らかにする労作。

同書は、第24回建築史学会賞を受賞とのこと。

 

リンク先にパンフレット(PDF)もあり。

chukobi.co.jp

中央公論美術出版社からは「新装版バウハウス叢書」(全14巻)も刊行中。

イヴェント:古田徹也×伊藤亜紗×山本貴光「しっくりくる言葉、どもる体」

3月27日(金)は、ゲンロンカフェ at VOLVO STUDIO AOYAMAで、古田徹也さん、伊藤亜紗さんとの鼎談でした。

「しっくりくる言葉、どもる体――『言葉の魂の哲学』サントリー学芸賞受賞記念」と題して、古田さんの同書や、伊藤さんの『どもる体』を手がかりに議論しました。

私自身も、話す際に不如意を感じることがままあって、自分の体のことながらままならないものだな、と思う機会も少なくありませぬ。

なにか話したり書いたりして、しっくりくる言葉を探すとき、「これじゃない」「これでもない」と、しっくりこない言葉を思い浮かべてはどかしていくうちに、向こうから「これだ」という言葉がやってくる体験。体に生じるさまざまな不具合を通じて、かえって円滑である状態が認識される体験。ゲームで失敗を通じて、そのゲームの構造を認識する体験。

こうした一見異なる例を重ねながら、あれこれ話しております。

無観客での生放送配信をはじめて経験しました。ラジオともまた違った趣きがあり、これはなにかなと考えているところです。

それはそうと、この鼎談は、1週間後までご視聴いただけるようです。

live2.nicovideo.jp

イヴェント:古田徹也×伊藤亜紗×山本貴光「しっくりくる言葉、どもる体」

2020年03月27日に、ゲンロンカフェ at VOLVO STUDIO AOYAMAで開催の古田徹也×伊藤亜紗×山本貴光「しっくりくる言葉、どもる体――『言葉の魂の哲学』サントリー学芸賞受賞記念」でお話しします。

今回は放送のみとなります。

詳しくは、リンク先をご覧くださいませ。

genron-cafe.jp

「実物はもっと美しいんだから!」

『本の雑誌』(本の雑誌社)で連載中の「マルジナリアでつかまえて」は、31回目になりました。

今回は「実物はもっと美しいんだから!」というタイトルで、ヴェルレーヌによる『呪われた詩人たち』校正刷へのマルジナリアを眺めております。邦訳は、幻戯書房のルリユール叢書、倉方健作訳でどうぞ。

文中で、ランボーの写真と『呪われた詩人たち』初版掲載の絵と、新版で差し替わった絵について述べているのですが、具体的には以下の通りです。

 

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同号の特集は「さようなら、坪内祐三」です。

www.webdoku.jp

新連載「これが示したいことだった」


『数学セミナー』(日本評論社)の2020年4月号から連載を始めます。

連載タイトルは「これが示したいことだった」。自然科学や数学の書物を中心とした読書日録エッセイです。

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第1回は「「数学」はどこから来たか」と題して、「数学」という日本語がどこから来たか、数学の用語はどんなふうに造られたかといった話をしております。

本編の特集は「数学のつまづき方」です。

1年間(12回)、どうぞよろしくお願いいたします。

www.nippyo.co.jp

YouTube「哲学の劇場」更新 2020年03月

吉川浩満くんと始めたYouTubeチャンネル「哲学の劇場」に、新しい動画を投稿しました。

3月は3回更新を予定しています。

一つめは、「人文的、あまりに人文的 番外篇」です。先日刊行した『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。』(筑摩書房)の紹介をしています。

www.youtube.com

二つめは、「新生活特集2020」です。

www.youtube.com

お楽しみいただけたら幸いです。