解説:大澤真幸『〈世界史〉の哲学1 古代篇』

大澤真幸『〈世界史〉の哲学1 古代篇』(講談社文芸文庫おZ2、講談社、2022/04)に解説「世界史の謎に迫るためのアルゴリズム」を書きました。

10年以上にわたって書き継がれてきたシリーズの最初の巻ということもあり、同シリーズで大澤さんが取り組む課題と、この第1巻でそれがどのように変奏されるかという点に注意を向けて、読解の手がかりとなることを目指して書いてみたのでした。

「〈世界史〉の哲学」は、目下『群像』で「現代篇」が進行中。2022年5月号で通算第141回です。

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書評:ジャン=イヴ・モリエ『ブックセラーの歴史』

2022年4月9日の「日本経済新聞」に、ジャン=イヴ・モリエ『ブックセラーの歴史 知識と発見を伝える出版・書店・流通の2000年』(松永りえ訳、原書房、2022/02)の書評を書きました。

一口に「書籍商」といっても実に多様なあり方をしてきたという様子を見せてくれる本です。

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寄稿:「文学のエコロジー」第3回(『群像』2022年5月号)

『群像』2022年5月号(講談社)に連載「文学のエコロジー」第3回を書きました。

今回は「潜在性をデザインする」と題して、バルザックの『ゴリオ爺さん』を例に、人間の生態を描く上でも重要な空間や建築がどのように記述されているかを眺めています。補助線としてTRPGにも触れております。

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書評:大田暁雄『世界を一枚の紙の上に』(オーム社)

「週刊読書人」2022年4月1日号(第3434号)に、大田暁雄『世界を一枚の紙の上に――歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生』(オーム社)の書評を書きました。

同書は『idea』(誠文堂新光社)の連載をもとにつくられた本で、そのままでは見ることのできない「世界」なるものを、いかにして一枚の紙の上にあらわすかという創意工夫と試行錯誤の歴史を追跡しています。連載中から、毎回楽しみに読み、本にならないかなと期待しておりました。

アレクサンダー・フォン・フンボルトの「自然画」や『コスモス』の検討から始まる同書は、知識や認識の表現について関心を持つ者としては実に興味の尽きない内容で、今後とも末永く座右に置いて、ことあるごとに参照することになるでしょう。

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寄稿:「試行錯誤のすすめーープログラミング教育に必要不可欠な姿勢について」(『現代思想』)

現代思想』2022年4月号「特集=危機の時代の教育」(青土社)に「試行錯誤のすすめーープログラミング教育に必要不可欠な姿勢について」を書きました。

文部科学省の関連文書に頻出する「論理的思考」がなにを指すのか分からなかったのですが、小中高でのプログラミング教育でそれを養うという目的もあるようです。
私の文章では、プログラミングを身に付けようと思ったら、試行錯誤を楽しくできる環境が重要で、それは学校の教室でどうしたら実現できそうか、というお話をしました。
同号掲載の渕野昌さんによる「論理、この厄介なもの」で、やはり論理的思考とはなにかと問うた上で、「論理」について整理・検討しておられました。

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