「アーカイヴとウェブ上の記憶をめぐる作業日誌」第7回(DISTANCE.media)

「DISTANCE.media」での連載「アーカイヴとウェブ上の記憶をめぐる作業日誌」第7回を書きました。

前回の第6回を書いてから4カ月くらい気を失っておりましたが、気を取り直して続けて参ります。

日頃ウェブその他を使いながら気がついたことがあると、この連載に書こうと思ってメモするのですが、書かないままになりがちなので、なんとかしたいと思っていたりします。

また、「DISTANCE.media」では、会員登録をすると、毎週金曜日に編集部からニューズレターが届きます。この頃は、編集委員のドミニク・チェンさんと山本も順番に書いています。9月13日(金)は山本の番でした。

会員登録は無料です。まだ会員ならではの特典は少ないのですが、少しずつ充実させていきたいと考えております。

distance.media

「ゲームデザインを知っているとうれしいいくつかのことについて」(AXIS Media Membership)

「AXIS Media Membership」の「デザインで語るコーナー」に「ゲームデザインを知っているとうれしいいくつかのことについて」を書きました。

私のエッセイは、以下のような小見出しが並びます。

・知のサヴァイヴァルキット

・ゲームデザインは試行錯誤の繰り返し

・ゲームデザインは遊ぶ人の体験をつくる

・プレイ体験をデザインする難しさ

・リベラルアーツとしてのゲームデザイン

「リベラルアーツとしてのゲームデザイン」といえば、少々口幅ったい感じもしますが、現在の教育で高校ぐらいまでの課程で経験しておくと、将来なにかの役に立ってしまう知識・技術のひとつとして、ゲームデザインがあるのではないかというお話です。

同サイトは、デザイン誌『AIXS』の関連サイトとして、2024年7月にオープンした会員制のメディアサーヴィスとのこと。

 

membership.axismag.jp

www.axisinc.co.jp

「デジコレの楽しみと危険について」(『本の雑誌』2024年10月号)

『本の雑誌』2024年10月号(本の雑誌社)の「国会図書館で調べ物を」という特集に「デジコレの楽しみと危険について」を書きました。

国立国会図書館デジタルコレクション(デジコレ)の登録の仕方から、検索の具体例、発禁書、デジコレの危険(でうれしい仕組み)などを案内しています。

特集部分の目次は以下の通りです。

・小林昌樹「国会図書館は「国民の図書館」なのだ」
・平山亜佐子「国会図書館、わたしの場合」
・すずきたけし「国会図書館イラストルポ」
・牟田都子「「たった一冊」と対面できる場所」
・田中すけきよ「クレジットなしイラスト探索の罠」
・真田幸治「小村雪岱雑誌挿絵リスト」
・V林田「麻雀漫画誌ローラー大作戦!」
・白峰彩子「おもしろくてためにならない話」
・山本貴光「デジコレの楽しみと危険について」
・「おじさん二人組+2、国会図書館に行く!」
・麻田江里子・柴山浩紀・竹田純「人文書編集者座談会/国立図書館に名前を変えよう!」

 

www.webdoku.jp

「〈ルリユール叢書〉から世界文学の翻訳を考える」(紀伊國屋書店)

2024年8月3日に紀伊國屋書店で行った〈ルリユール叢書〉(幻戯書房)50冊突破記念トークイベント「〈ルリユール叢書〉から世界文学の翻訳を考える——文学の仲介者ヴァレリー・ラルボーとともに」のレポートが、「じんぶん堂」に掲載されました。

ルリユール叢書の1冊としてヴァレリー・ラルボー『聖ヒエロニュムスの加護のもとに』を訳した西村靖敬さん、エディター/ライターの鳥澤光さんと翻訳や文学をめぐって話しました。

同叢書の企画・編集を担当している中村健太郎さんによるレポート記事は、登壇者の発言をかなり細かく拾って構成されており、当日参照された本などに加えて、関連する文献の写真なども加えたもので、翻訳や海外文学に関心のある向きにはお楽しみいただけるのではないかと思います。

book.asahi.com

宮田愛萌+渡辺祐真編『ミモザ』Vol. 1に寄稿

宮田愛萌さんと渡辺祐真さんが編集する同人誌『ミモザ』Vol. 1に寄稿しました。

創刊号となる今回の号は「架空書評集」ということで、寄稿者はそれぞれ架空の書評を書くという趣向です。編者のお二人を含めて総勢30名ほどが寄稿しているようです。

スタニスワフ・レムの『完全な真空』(沼野充義、工藤幸雄、長谷見一雄訳、文学の冒険、国書刊行会、1989/11;河出文庫レ4-1、河出書房新社、2020/01)〔Stanisław Lem, Doskonała próżnia, 1971)を思い出す向きもあるかもしれません。

私は下記の本の書評を書きました。

ウァレス・フムニタス『もうすぐ絶滅するというインターネットについて』(UNESCO、2148年)

同誌を手にできたら、また追記しようと思います。

寄稿者や入手法については、渡辺祐真さんのnoteに記されていますのでご覧くださいませ。2024年9月7、8日のイヴェントで販売したようですので、すでに発行済みだと思われます。

note.com

 

杉亨二『[寸多][知寸][知久](スタチツチク)歴史及理論之部』

(すぎ・こうじ、1828-1917)がいる。

緒方洪庵、坪井信良、杉田成卿らにオランダ語、フランス語を学び、後に開成所教授職に就いて西洋に統計学があることを知ったとか。

明治16年に共立統計学校で、マックス・ハウスホーフェルの西欧統計学を講述したものを、聴講生だった横山雅男が筆記したノートがあって、そのノートを1980年に日本統計協会が本として刊行したようです。

このときの杉によるstatisticの訳語は、スタチスチクという音を漢字に移すだけでなく、「スタ」=「寸+多」、「チス」=「知+寸」、「チク」=「知+久」という漢字を組み合わせが造字をしたそうで……と書いてもなかなかイメージをお伝えしづらいので画像でお示しすると、こんなふうです。

無茶しやがって……という気持ちと、そんなことしていいんだ(いいわけではない)という気持ちとが綯い交ぜになった奇妙な心持ちになる、そんな造字です。

この案がそのまま普及していたら、今頃私たちも「統計」という代わりに「

上記したノートの復刻版は、国立国会図書館のデジタルコレクションで閲覧できます(要ログイン)。以下はそのリンクです。

思わず日本の古本屋で復刻版を注文してしまいました。

 

★『[寸多][知寸][知久] 歴史及理論之部 1』(日本統計協会、1980)
 https://dl.ndl.go.jp/pid/12011861

★『[寸多][知寸][知久] 歴史及理論之部 2』(日本統計協会、1980)
 https://dl.ndl.go.jp/pid/12011764

★『[寸多][知寸][知久] 歴史及理論之部 別冊』(日本統計協会、1980)
 https://dl.ndl.go.jp/pid/12011762

 

 

斎藤哲也、吉川浩満、山本貴光「個人的なことは哲学的なこと」(ゲンロンカフェ)

2024年8月28日の夜、ゲンロンカフェで斎藤哲也さん、吉川浩満くんと「個人的なことは哲学的なこと」というテーマで話しました。

ゲンロンカフェで設定していただいたこのテーマ、事前はなにを話したらいいだろうねと考えて、今回は3者それぞれが、思い出の、あるいはお勧めの哲学書のリストと、私的哲学書のリストをつくって配付してみました。アーカイブでご視聴の場合も、ファイルをダウンロードいただけます。

 

shirasu.io