東京工業大学から東京科学大学へ

そういえば、2021年から勤めている東京工業大学が、本日(2024年10月1日)から、東京医科歯科大学と合併して「東京科学大学」に改称されました。

大学当局による略称は「Science Tokyo」とのことです。

実際に人びとのあいだでは、どんな略称に落ち着いていくのか、ちょっと関心があります。

それはさておき、肩書きが変わるぐらいの変化ならよかったのですが、中は結構あちこちてんやわんやとしております。私も少々変化がありましたが、これについてはまた機会があったら書いてみようと思う今日この頃です。

10月から始まる第3クウォーターは、大学院の講義「文系エッセンス36:哲学」を担当します。昨年に続いてダストン&ギャリソンの『客観性』(名古屋大学出版会)の読解を真ん中において、客観性という概念の歴史についてあれこれ検討する予定です。

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石井千湖『積ん読の本』(主婦と生活社、2024)

石井千湖『積ん読の本』(主婦と生活社、2024)で取材を受けました。

積ん読をテーマにした本で、12名の人たちへのインタヴューから成ります。登場するメンバーは、下の表紙写真の帯をご覧くださいませ。

https://pbs.twimg.com/media/GY9EWv_bMAAstQ2?format=jpg&name=4096x4096

私が登場するパートの扉はこんな具合です。

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発売後忽ち重版とのこと。詳しくは版元のページでどうぞ。

www.shufu.co.jp

 

「詩とその翻訳をめぐって アマンダ・ゴーマン『わたしたちの担うもの』」

2024年09月28日(土)の午後、FIC(法政大学国際文化学部)オープンセミナーとして開催される詩学研究会シンポジウムに登壇します。

シンポジウムのテーマは「詩とその翻訳をめぐって アマンダ・ゴーマン『わたしたちの担うもの』」です。

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Poems for the Millennium シリーズ

Perlegoで教えられた4巻組の詩のアンソロジー。

巻を追って時代順に並んでいる、というわけではないようで、よく分からないので頭の整理がてらここに並べてみます。

総題は Poems for the Millennium で、版元はカリフォルニア大学出版(University of California Press)。各巻は下記の通り。

(ただし、それぞれThe University of California Book of...と大学名が添えられている部分は省略しています)

Vol. 1: Book of Modern and Postmodern Poetry: From Fin-de-Siècle to Negritude [UCP]

Vol. 2: Book of Modern and Postmodern Poetry: From Postwar to Millennium [UCP]

Vol. 3: Book of Romantic & Postromantic Poetry [UCP][Perlego]

Vol. 4: Book of North African Literature [UCP][Perlego]

つまり、第1巻と第2巻が「モダンとポストモダンの詩」で、第3巻が「ロマン主義とポストロマン主義の詩」、第4巻は「北アフリカの文芸」というわけです。

なお、上記のうち[UCP]は版元のページへのリンク、[Perlego]はPerlegoの当該ページへのリンクです。後者で本を閲覧するには要登録です。Perlegoには、第3巻と第4巻だけあって、前半2巻は見当たりませんでした。

第3巻を見てみると、ジャン=ジャック・ルソー、スウェーデンボリ、ディドロ、エラズムス・ダーウィンといった名前が並び、欧米が中心かなと思いきや、与謝野晶子が現れたりもします。

これは手元に揃えておいたほうがよさそう……という具合に、せっかくデジタル・ライブラリーで閲覧できても、本で読みたくなるのでした。

下の画像は第4巻の表紙です。

https://img.perlego.com/book-covers/551597/9780520953796_500_750.webp

 

Blueskyのユーザー数が1000万人超

Blueskyのユーザー数が1000万人を超えたとのことで、各ユーザーに登録した時期と何番目のユーザーかという数字が表示されているようです。

それを見て、そういえば他のSNSなどはどうだったかなと記憶を辿るついでに、コンピュータ的なものとのつきあいを振り返ってみると、こんな具合でした。

・パソコンを使い始めたのは1981年くらいから(10歳)

・インターネットと電子メールを使い始めたのは1990年(19歳)

・ウェブサイト「哲学の劇場」を吉川浩満くんと開設したのは1997年(26歳)

・mixiで最初に日記を書いたのは2004年06月24日(33歳)
(5億年ぶりくらいにログインしたら、20年前の空気が保存されていてエモかった……)

・Twitterに登録したのは2008年6月(37歳)
(SNS衰亡史を目の当たりにした16年であった)

・Tumblr、Pinterest、Facebook、Instagram、Google+、Mastodon、その他いまは忘れてしまったものたちは略

・Blueskyは2023年4月29日から(52歳)

こうして並べてみると、デジタル環境は激変という言葉が大袈裟ではなく当てはまる変遷をしてきたのだなといまさらながら感じます。

 

 

Blueskyといえば、Electric Light Orchestraの名曲 Mr. Blue Sky (1977)ということで、Pomplamooseによるカヴァーをどうぞ。

www.youtube.com

学術デジタルライブラリー・サーヴィス「Perlego」

Perlegoというデジタル図書館サーヴィスを使い始めた。月額いくらかで登録されている本のデジタル版を閲覧できるしくみだ。サブスクリプション型学術書閲覧サーヴィスである。

もう何年も前のことで、名前を思い出せないのだけれど、かつても似たようなサーヴィスを使っていたことがある。

著作権が切れている時代の本や古いものは、各種のデジタルアーカイヴなどで閲覧できるとして、同時代の刊行物はそういうわけにいかない。

特に現在のようにSNSを通じて国内外の各方面の専門家たちが、多様な本や論文を教えてくれる環境では、読みたいものがどんどん増える一方、本を買うお金は同様に増えたりしないから、端から買うというわけにもいかず、これはというものを選んで読むことになる。

といっても、インターネットを通じて本を買えるようになる以前は、海外の本にどのようなものがあるのかを知るだけでも一苦労だったことを思えば、いまはパラダイスである。

さはさりとて、できるものなら関心のある本を読みたいとも思う。

そこでこうした学術書のデジタルライブラリーの出番となる。

Perlegoは、ロンドンに拠点をもつ2017年創業の会社。目下は、英語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、フランス語で書かれた100万冊以上の本のデジタル版を提供している。

利用者はウェブブラウザか専用アプリで同社のサイトにログインすると、本を探したり閲覧したり、メモをとったりできるという仕組み。

上の画像はホームページのキャプチャ画像で、最上部にある検索フォームに言葉を入力すると、タイトル検索か、AIの補助による検索を使える。

例えば、history of scienceで検索をかけると、こんな結果が出る。

 

58の出版社による3万点ほどが結果として表示されているようだ。あまり関係のなさそうなものもたくさん表示されているようで、検索の仕方を工夫する必要がありそう。

このリストを眺めていたら、スタニスワフ・レムの英訳本が目に入った。本を選ぶと書誌のページが表示される。

まだ使い始めたばかりで、よく理解していない点もあるものの、関心のあるトピックを次々と入力して出てくる結果を見るたび、「おお、これも読めるのですか」「え、これもいいんですか」とちょっとうれしくなる。ネットを使ってこんな気持ちになるのは、実に久しぶりかもしれない。

Perlegoで設定されているトピックの一覧はこのようになっている。

ご覧のように人文学、社会科学、自然科学、芸術、工学と各方面の本が揃っている様子が窺える。

使い勝手を含めて、細かい点などについては、追ってここにも記録してみるつもり。

www.perlego.com

「モダニスト・ジャーナル・プロジェクト」

「モダニスト・ジャーナル・プロジェクト(Modernist Journals Project)」

1995年にブラウン大学で始まったプロジェクトで、19世紀末から1920年代にかけて英語圏で刊行された文芸誌や関連文献を閲覧できるデジタルアーカイヴです。

例えば、ジェイムズ・ジョイスが『若き芸術家の肖像』を連載したEgoistなども読めます。

このサイトで閲覧できる雑誌については、別途整理・把握したいと思っています。

https://modjourn.org/