2017-01-01から1年間の記事一覧

蒐書録#027:ハン・ガン『ギリシャ語の時間』ほか

★ハン・ガン『ギリシャ語の時間』(斎藤真理子訳、韓国文学のオクリモノ、晶文社、2017/10) 韓江『희랍어 시간』(2011) 晶文社の新シリーズ「韓国文学のオクリモノ」の第1回配本。すべて受け取りたい所存。 ★ジル・ドゥルーズ+フェリックス・ガタリ『カ…

人はなぜスロットマシンにハマるのかといえば、そう設計してあるから

人間は、予想できるけど予想しきれない状態が大好きなのではないか、とはわたくしの貧しい経験から思うところであります。 まったく予想できない未知の状態でもつまらないし、完全に予想できるのでも楽しくない。物語でもゲームでも日常でも、なにかそういう…

マイモニデス『医学箴言』アラビア語・英語対訳版

鈴木晃仁先生のツイートで知る。 シカゴ大学出版から出ているマイモニデスのアラビア語・英語対訳版はこちら。 関連で思い出すのはスーザン・P・マターン『ガレノス――西洋医学を支配したローマ帝国の医師』(澤井直訳、白水社)。これから読みます。 ⇒白水社…

アイザック・ニュートンの仕事

アイザック・ニュートンが書き残したものを時系列ですべて列挙したようなリストって、どこかにあったかな。というので思い出したのはこのウェブサイト。 ★The Newton Project http://www.newtonproject.ox.ac.uk/ ニュートンが書いたものを刊行物、未刊行物…

ウェブサイト「疑惑の島」の工夫

朝日新聞による「パラダイス文書」のレポート「疑惑の島」、内容もさることながら、サイトデザインの工夫もよいですね。 どこが発祥のアイデアか存じませぬが、ページ右端にあるスクロールバーに区切り目がついています。 この区切り目のおかげで、区切り目…

蒐書録#026:グスタフ・マイリンク『ワルプルギスの夜――マイリンク幻想小説集』ほか

国書刊行会の新刊を3冊。 ★グスタフ・マイリンク『ワルプルギスの夜――マイリンク幻想小説集』(垂野創一郎訳、国書刊行会、2017/10) 「I 初期短篇」(5作品)、「II ワルプルギスの夜」、「III 白いドミニコ僧――見えないものの日記から」、「IV 後期短篇」…

蒐書録#025:クリントン・ロメシャ『レッド・プラトーン――14時間の死闘』ほか

★クリントン・ロメシャ『レッド・プラトーン――14時間の死闘』(伏見威蕃訳、早川書房、2017/10) Clinton Romesha, Red Platoon: A True Story of American Valor (2016) アフガニスタン戦争史上、最も苛酷な戦闘のひとつと言われる「カームデーシュの戦い」…

蒐書録#024:『岩波講座 日本経済の歴史』

目の前の仕事にかまけていると、すぐ記録しそびれてしまいますが、久しぶりに蒐書録の投稿です。 ★『定本 漱石全集 第十一巻 明暗』(岩波書店、2017/10) 第11回配本は『明暗』。月報は高橋源一郎さん。次回はいよいよ第14巻『文学論』(11月刊行予定)。 ★…

橋爪大三郎+山本貴光「思考する人のための読書術」

『週刊読書人』2017年10月27日号掲載の橋爪大三郎先生との対談「思考する人のための読書術」が、ウェブでも読めるようになりました。

『文学問題(F+f)+』予約特典についてのお知らせ

新著刊行間近の物書きは、セッチョセッチョと喧しいものですが、年にそう何回もあることではないので、どうかお許しくださいませ。 『文学問題(F+f)+』(幻戯書房、2017/11/22刊行予定)の作業も終盤にさしかかって参りました。再校ゲラを一通り見終わって…

How Fiction Becomes Fact on Social Media

Benedict Carey, How Fiction Becomes Fact on Social Media (The New York Times, 2017/10/20)

Historical Network Analysis

Historical Network Analysis: Complex Structures and International Organizations

蒐書録#023:マイケル・ベンソン『世界《宇宙誌》大図鑑』

『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)の校了が迫っている。もう少しだ。 となってくると、意識は勝手に次の仕事のほうへも向いてゆく。 文学論の直後は天文学論を少々(執筆・翻訳中の本のあいまに)。 文学の頭に「天」がつけば天文学である。 文学の頭に「人…

「思考する人のための読書術」(『週刊読書人』)

『週刊読書人』第3212号2017年10月27日号で、橋爪大三郎先生と対談しました。 橋爪先生の新著『正しい本の読み方』(講談社現代新書)を中心に、読書についてお話ししております。1面かな。 (こうした対談などでは、変な手つきの写真が掲載されることが多…

波としての神経活動

★「神経活動の「波のうねり」が痛みの情報を担うしくみを解明」(京都大学、2017年10月25日) そういえば、神経の活動を「波」として表現することは、いつから始まったのだろう。脳波という発想からかしら。 意識状態については、ウィリアム・ジェームズやそ…

アメリカ議会図書館の稀覯書コレクション

"New Online: A Digital Treasure Trove of Rare Books" (October 20, 2017 by Wendi Maloney, Library of Congress) アメリカ議会図書館のウェブサイトで、稀覯書のデジタル版公開。

猫背と扁平足、ときどきシャンとする

いつも猫背気味なものだから、ときどき背筋をシャンとすると、それだけでなんだか世界がちがって見える。 子どもの頃、しばしば母から「君は少し胸を張るくらいでちょうどいいよ」と言われた。特に口にはしなかったけれど、胸を張るのはなんだか偉そうだなと…

プルースト文書の公開

フランスの文豪マルセル・プルースト(Marcel Proust)が書いた約6000の文書がデジタル化され、オンラインで無料公開されることになった。第1弾は、来年の第1次世界大戦(World War I )終結100周年に合わせて予定されている。このプロジェクトを進める米仏…

蒐書録#022:キース・E・スタノヴィッチ『現代世界における意思決定と合理性』

上院外交委員会委員長ボブ・コーカー議員が、インタヴューで、大統領は「真実がとても苦手」だと述べたというニュースを目にする。 「真実がとても苦手」とはまた面白い表現。私はこの言葉の組み合わせをはじめて目にしたような気がした。 原語ではなんと言…

最古の「ゼロ」記号

「最古の「ゼロ」文字」 インドにおけるゼロ記号の使用例が、3-4世紀まで遡る可能性があるとのこと。

科学哲学ダイアグラム

科学哲学のダイアグラム 科学的実在論 vs 反実在論とのこと http://philosophy-in-figures.tumblr.com/post/92196098591/scientific-realism-vs-anti-realism

メイキング・オヴ・『文学問題(F+f)+』(予約特典)

『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)にかんするお知らせです。 本日は「予約特典」についてお話ししとうございます。 同書を幻戯書房にご予約いただくと、漏れなく予約特典の小冊子をおつけいたします。 今回の小冊子は、映画でいうところのメイキング映像のよ…

哲学者たちのウェブ

★“The Philosopher’s Web,” an Interactive Data Visualization Shows the Web of Influences Connecting Ancient & Modern Philosophers (Open Culture, 2017/10/20) 哲学者たちの関連をダイアグラム化してみたという話。

クリエイター入門

久しぶりに東京ネットウエイブで「クリエイター入門」という高校生向けの講義を担当する。今日から始まった後期は全4回の予定。1回あたり1コマ90分を2コマで都合180分。 テーマは物語について。 物語とはなんだろうかという素朴な、しかし考え始めるとよく分…

Dyslexia: scientists claim cause of condition may lie in the eyes

ディスレクシア(識字障害)の原因は、眼にある可能性が指摘されたとか。

重力波天体が放つ光を初観測

重力波天体を追跡した天文学者たちは、キロノバを世界で初めて観測的に発見しました。太陽の1億倍も明るくて、地球の全質量の何千倍もの量の重元素や貴金属を作り出す、原子核反応のかまどです。 国立天文台のニュースから(2017.10.16)

Ritual Music

ビル・エヴァンスとジム・ホールの『Intermodulation』(1966)は、 秋が訪れるとことさら聴きたくなるアルバム。 物書きをするときによくかけるものだから、1曲目の"I've Got You Under My Skin"のイントロが聞こえてくると、気持ちが文字を書くほうへ向か…

「ページと文体の力と科学」から「本の最終局面へ」

10月14日(土)は青山ブックセンター本店にて、『アイデア』No. 379「ブックデザイナー鈴木一誌の仕事」(誠文堂新光社)刊行記念連続対談が開催され、鈴木さんとお話をしてきました。 (画像は『アイデア』ウェブサイトよりリンク) その場でも述べましたが…

「マルジナリアでつかまえて」第2回

先月から『本の雑誌』で始めた連載「マルジナリアでつかまえて」の第2回が、同誌2017年11月号に掲載されました。 今回は「読書とはツッコム事と見付けたり」と題して、具体的なマルジナリア(本の余白への書き込み)の例を眺めております。 登場するのは、マ…

近刊『文学問題(F+f)+』のお知らせ

新著のお知らせです。 この数年、『夏目漱石『文学論』論』(仮題)と称して、折に触れてはお知らせ(お騒がせ)して参りました本が間もなく完成します。謹んでご紹介申し上げます。 ■1.書誌と惹句 山本貴光『文学問題(F+f)+』 四六判上製総ページ560…