新刊情報

★中沢新一『はじまりのレーニン』(岩波現代文庫学術、岩波書店、2005/05、amazon.co.jp) よく笑い,子どもや動物に触れるのを好み,音楽好きだったレーニン.彼が理解し,直観した唯物論は,生の律動に触れる思想だった.ヤコブ・ベーメを経由してヘーゲル…

★山口昌男『「敗者」の精神史(上)』(岩波現代文庫学術、岩波書店、2005/05、amazon.co.jp) 明治維新以後の薩長中心の階層秩序から離れ,「もう一つの日本」をつくりあげて来た人々がいる.上巻では日比翁助の三越改革,淡島椿岳・寒月父子の知的バサラ術…

★松本健一『竹内好論』(岩波現代文庫学術、岩波書店、2005/05、amazon.co.jp) 竹内好(1910〜1977)は単なる中国文学者ではない.魯迅を精神の糧とし,戦争体験を反芻しつつ,近代日本への根源的批判者として問題提起を続けた自立の思想家であった.その生…

★荒井信一『戦争責任論——現代史からの問い』(岩波現代文庫学術、岩波書店、2005/05、amazon.co.jp) 塹壕戦で闘った兵士が戦争神経症に悩まされた第一次大戦.その戦後に提起された戦争責任問題は,未決の課題として今も存在し続けている.本書は戦争の特質…

★川田喜久治『地図』(月曜社、2005/03、amazon.co.jp) 写真集の復刻といえば、本書も貴重な仕事です。まずは書店で実物をお手にとられたい。 ⇒月曜社 > 川田喜久治『地図』 http://getsuyosha.jp/kikan/map.html

★『安井仲治写真作品集』(飯沢耕太郎+金子隆一監修、日本写真史の至宝、国書刊行会、2005/05、amazon.co.jp) 日本の写真表現が最初の全盛期を迎えた1930年代を中心にモダニズムの傑作写真集を原本に忠実に復刻するシリーズ【日本写真史の至宝】第1回配本…

★稲垣足穂『稲垣足穂コレクション6——僕のユリーカ』(ちくま文庫い53-6、筑摩書房、2005/06、amazon.co.jp)

★西郷信綱『古事記注釈 第二巻』(ちくま学芸文庫サ16-3、筑摩書房、2005/06、amazon.co.jp) かつて平凡社から刊行されていた同書を、文庫では全8巻で。

★福田和也『日本人の目玉』(ちくま学芸文庫フ15-3、筑摩書房、2005/06、amazon.co.jp) 1998年に新潮社から刊行された批評集の文庫化。 ・「放哉の道、虚子の道と道」 ・「西田の虚、九鬼の空」 ・「見えない洲之内、見るだけの青山」 ・「三島の一、安吾の…

★エドマンド・スペンサー『妖精の女王 3』(和田勇一+福田昇八訳、ちくま文庫す16-3、筑摩書房、2005/06、amazon.co.jp) Edmund Spenser, The Faerie Queene (1590-1596) 全四分冊の第三分冊。

★竹中労『完本 美空ひばり』(ちくま文庫た20-6、筑摩書房、2005/06、amazon.co.jp) まだ中を確認してませんが、以前(1987)、朝日文庫から出ていた本の増補版でしょうか。美空ひばりといえば、鈴木清順の『オペレッタ狸御殿』にディジタル処理で特別出演…

★伊藤典夫編『SFベスト201』(新書館、2005、amazon.co.jp) 「10分でわかるSF入門」ともいうべき伊藤典夫の序文に、 SFファンのツボをおさえた解説と、 センス・オブ・ワンダーを分析したレーダーチャート! ヴォネガットからイーガンまで、文学の最前線を1…

★ジャック・ラカン『無意識の形成物(上)』(ジャック=アラン・ミレール編、佐々木孝次+原和之+川崎惣一訳、岩波書店、2005/05、amazon.co.jp) Jacques Lacan, Le Séminaire, Livre V: Les formations de l'inconscient (texte établi par Jacques-Alai…

★鈴木了二『JUL.2001 - JUN.2004 Ryoji SUZUKI Architect(仮)』(acetate007、アセテート、2005/09/30予定) 建築、その秘められた地層 2005年度村野藤吾賞受賞・金刀比羅宮プロジェクト 同プロジェクトに関わるエスキースノートすべてを時系列そのままに…

★高松伸『Design Essence from Sketchbook——建築設計のための教科書』(京都大学学術出版会、2005/06下旬予定) 創造とはつまるところ模倣でもある、とは言い過ぎだろうか。ともあれ、過去の作家とその作品を意識しない建築家は、誰一人としていない。近代以…

★プラトン『ピレボス』(山田道夫訳、西洋古典叢書、京都大学学術出版会、2005/06/23予定) ⇒哲学の劇場 > 作家の肖像 > プラトン http://www.logico-philosophicus.net/profile/Platon.htm

創文社から刊行中の「ハイデッガー全集」邦訳最新巻は第65巻「哲学への寄与論稿——性起から(性起について)」。全集のなかでも永らく邦訳が待たれていた一冊。6月刊行予定。 ★マルティン・ハイデガー『ハイデッガー全集 第65巻 哲学への寄与論稿——性起から(…

★ルイ・アルチュセール『再生産について——イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置』(西川長夫+伊吹浩一+大中一彌+今野晃+山家歩訳、平凡社、2005/05、amazon.co.jp) Louis Althusser, Sur la reproduction: Idéologie et appareils idéologiques d'Ét…

★石鍋真澄『ピエロ・デッラ・フランチェスカ』(平凡社、2005/04、amazon.co.jp) 15世紀イタリアの画家ピエロ・デッラ・フランチェスカ(Piero della Francesca, 1420c-1490)のモノグラフ。 ピエロ・デッラ・フランチェスカといえば、カルロ・ギンズブルグ…

★エルンスト・ブロッホ『ルネサンスの哲学——ライプチヒ大学哲学史講義』(古川千家+原千史訳、白水社、2005/04、amazon.co.jp) Ernst Bloch, Philosophie der Renaissance 本書は、まずは旧東独のライプチヒ大学で、その後テュービンゲン大学でも再講義さ…

★中谷礼仁+中谷ゼミナール『近世建築論集』(acetate002, acetate) 2004年2月に刊行され完売した同書の第二刷が6月15日に刊行されるようです。初刷を逃したあなたもこの機会に。建築の近代(モダン)を考えるためにも、そのひとつ前を見ておくにしくはなし…

伊奈さん(id:inainaba)のブログで下記の刊行を知る。読んでみたいと思う。 ☆渡辺潤+伊藤明己編『〈実践〉ポピュラー文化を学ぶ人のために』(世界思想社、2005/05、amazon.co.jp) ⇒BLOG_inainaba > 2005/05/12 > [books]『<実践>ポピュラー文化を学ぶ…

モーリス・ブランショ(Maurice Blanchot, 1907-2003)の邦訳作品があいついで刊行されつつある。 ☆『私についてこなかった男』(谷口博史訳、書肆心水、2005/04、amazon.co.jp) 書肆心水からは、ブランショの『文学はいかにして可能か』とその論究対象であ…

★「セネカ哲学全集」(全6巻、岩波書店) 岩波書店からルーキウス・アンナエウス・セネカ(Lucius Annaeus Seneca, BC0004c-AD0065)の「哲学全集」全6巻の刊行がはじまる。編集に名を連ねるのは大西英文氏と兼利琢也氏。 セネカはローマ帝政初期の政治家・…

みすず書房の新刊書より刮目の二冊。 ★木村敏『関係としての自己』 (みすず書房、2005/04、amazon.co.jp) 精神病理学の第一人者による、著作集完結以来はじめての論文集である。対人恐怖症、離人症、統合失調症などにあらわれるこころの病理との面接をつう…

法政大学出版局、2005年4月の新刊より。 ★中才敏郎編『ヒューム読本』(法政大学出版局、2005/04、amazon.co.jp) イギリス経験論哲学の主峰、ディヴィッド・ヒュームの思想世界を多角的に照らし出し、最新の国際的研究も踏まえ書き下ろされた、待望の読解・…

青土社の新刊より気になる書目をピックアップ。 ☆エドワード・W.ソジャ『第三空間』(加藤政洋訳、青土社、2005/04、amazon.co.jp) Edward W. Soja, Thirdspace: Journeys to Los Angeles and Other Real-And-Imagined Places(1996) ソジャの訳書には、本書…

ことのついでに、ちくま学芸文庫、2005年04月の新刊書目。個人的には未読の西郷さんの『古事記注釈』に注目。 ★若桑みどり『イメージを読む』 (ちくま学芸文庫、筑摩書房、2005/04, amazon.co.jp) かつて(1993年)、ちくまプリマーブックスに入っていた本…

ちくま文庫、2005年04月の新刊は以下のラインナップ。個人的には大竹伸朗、涙香、志ん生、足穂、スペンサーは読まねばと思っている。 ★辰巳芳子『味覚旬月』(ちくま文庫、筑摩書房、2005/04、amazon.co.jp) ★北原尚彦『奇天烈!古本漂流記』(ちくま文庫、…

未來社、2005年4月の新刊より。 ★折原浩『学問の未来——ヴェーバー学における末人の跳梁跋扈』(未來社、amazon.co.jp) 『マックス・ヴェーバーの犯罪』なる耳目蠢動を意図した悪質なヴェーバー非難の書、およびそうした本に雷同していかがわしい賞を付与し…