哲学史上屈指の名著スピノザ『エチカ』に半日以上の時間を費やした後、これまた屈指の名著であるベルクソン『物質と記憶』の意義を、400字程度で述べようということ自体が土台無理なのではないかという暗澹たる気持ちと、しかし拙紹介駄文が見知らぬ誰かを『物質と記憶』につなげるささやかな契機として働かないとは限らないというやや過剰なる自負感と自意識のあいだで板ばさみになると、余計に書くことが困難になる罠(いえ、単純に能力の問題なのですが)。つぎはメルロ=ポンティ、廣松渉、ドゥルーズ、ヒュームが待っている(しかしどうなってるんだ、このブックガイド)。少し飲んで「精神の緊張」をゆるめたほうがいいかしら。
狐氏の書評のように書けないものかしら(とはまたないものねだりだよ、きみ)。
18時間後……
だんだん耐久レースみたいになってきた。あれ、またベルクソン先生ですか? あぁ、その後ろにはまたドゥルーズ先生が(しかもガタリ先生つきで!)。
追記:以上は、拙著『心脳問題』の付録「作品ガイド」の原稿執筆の過程を中継したものでした。