今日は一日使えない人間だった。歩くとフラフラ。遠出しかけたのだったがあきらめて帰る。


手ぶらで帰るのもなんだし、本を買ったら元気になるかもしれないと思いつき(おい)、手近な書店のノレンをくぐる。「こんにちは〜。今日はなにかはいっていますか?」



先日、相棒(id:clinamen)に勧められるまで完全にノーマークだった(目次を読んで勝手におなかいっぱいになっていた)酒井順子『負け犬の遠吠え』と小倉千加子『結婚の条件』をごろ寝読みの友に購入。


その他、店内をぐるぐるめぐって目にとまった本のなかから1/3ほどを自分でもよくわからない基準で入手。ササキバラ・ゴウの『〈美少女〉の現代史――「萌え」とキャラクター』(講談社現代新書、2004/05)の裏表紙に刷り込まれている著者近影をながめて(なぜか)軽いショックを受ける(なぜかもっと若い人かと思い込んでいたので)。本を買ってみたけれど、元気は出なかったのでやっぱり帰宅することに。


帰宅してベッドにねそべってコーヒーを飲みながら酒井本を読む。


「負け犬」(未婚、子ナシ、三十代以上の女性)をさまざまな角度からながめることによって、負け犬の生態はもちろんのこと、負け犬を発生させてしまう――って、発生して一向に構わないと思いますがあたしは――社会の仕組みまでうきぼりにしてみせるところがいい(勝とうが負けようが犬というところも)。なんといおうに、西原理恵子の漫画を読むときに感じる可笑しみに似た味わいがある。文章もサバサバしていてイヤらしい感じもなくって好印象。惜しむらくは一度に読むと途中から少し食傷気味になるところかしら。って、もともと連載エッセイなのだから、がーっと通読するほうがよろしくないのかもしれないけれど。


ちなみに負け犬(メス)の話だと思ってスルーしている男子諸君。本書にはなかなか油断ならない「オスの負け犬」についての考察もあるので、「俺ってなんか負け犬だよなァ。どうしたら負け犬組を脱出できるかな」とお嘆きなら手にとるべし。