★堤治『授かる――不妊治療と子どもをもつこと』朝日出版社、2004/10、amazon.co.jp

不妊がさまざまな原因で増えていること、
同時に不妊治療の医術も格段に進歩して、これまで不可能といわれてきたことが可能になってきていること、
子どもがほしいという切実な要望に応えられる機会が増えたこと、
その結果、親子関係や家族のあり方に変化が生じそうなこと、
また、生命がビジネスの対象になりかねないこと、
時代の変化に背中を押されるようにして新たな法律も制定されつつあること――


こんな時代の背景をふまえて、生殖医療の現場で活躍する堤氏が編集部の質問にこたえる形で生殖医療の現状をわかりやすく懇切に説いた一冊。目次は以下のとおり。

1.変わりつつある「生命の始まり」――妊娠成立のシナリオと生殖医療
・生殖医療の現状
・妊娠の仕組みと不妊治療
・生殖医療の問題点


2.見えてきた生殖の壁――子宮内膜症子宮筋腫性感染症環境ホルモン
・不思議な病気――子宮内膜症
子宮内膜症は増えている
・古くてあたらしい子宮筋腫の問題
性感染症はひろがっている
環境ホルモン――生殖への影響は?


3.子をもつ希望と倫理の狭間で――複雑化する家族/クローン/出生前診断
・家族の枠組みが変わる?
・クローンはなんのため
・遺伝病と染色体異常の違いを知る
・子どもを選ぶ?――出生前診断


まだ目次を眺めたところだけれど、不妊治療の要不要にかかわらず、すべての男女に手にしてほしい内容の本だと思いました。


朝日出版社 > 堤治『授かる』
 http://www.asahipress.com/2004/sazukaru.html

⇒堤治の世界
 http://www.dr-tsutsumi.jp/