★實川幹朗『思想史のなかの臨床心理学――心を囲い込む近代』(講談社選書メチエ311、講談社、2004/10、amazon.co.jp)
「心」を「個人の内面」と同一とする発想が生まれた近代。
意識の重視、言葉と意識の結びつきへの信頼を軸とする理論は、
歴史の中で初めて生まれた心の捉え方であった。
西洋近代文明の申し子・臨床心理学の「意識」観が、
中世の「認識」観に比べていかに際立つかを検証する。
★筒井賢治『グノーシス――古代キリスト教の〈異端思想〉』(講談社選書メチエ313、講談社、2004/10、amazon.co.jp)
★ピーター・ハーコート『映画とその神話的世界――ヨーロッパ・アメリカ・カナダの国民文化の形成』(加藤裕佳子訳、晃洋書房、1994/03、amazon.co.jp)
Peter Harcourt, Movies & Mythologies: Toward a National Cinema (CBC Publications, 1977)
カナダ出身の映画研究者による映画論。カナダ映画についての情報がありがたい。ただし訳書では固有名詞がところどころたいへんなことになっている。
★『シネマ70』NO.4 3-4月号(シネマ社、1970)
☆特集=大島渚
ほか、映画を観ることと映画について書くことをめぐる論考など。この雑誌については(も)、いずれ詳細な目次情報を作成したい。
★『思想』No.967 2004年11月号(岩波書店)
・川本隆史「思想の言葉」
・廣川洋一「「忠告」としての哲学――セネカ道徳哲学の基礎」
・荒木勝「アリストテレスにおける「公的なるもの」の位相」
・三嶋輝夫「我らいまだ神に遠く――現代世界と哲学的視点」
・E.ヴァイグル「森と気象――19世紀に生まれた1つの神話」
・今村仁司+末木文美士「清沢満之と仏教の今日的再生」
・今村仁司「対談を終えて――末木教授への応答」ほか