野上正義『ちんこんか――ピンク映画はどこへ行く』三一書房、1985/09)#0082


若松孝二監督の『鉛の墓標』がデビュー作という、「ガミさん」こと俳優・野上正義氏のエッセイ・対談集。対談相手は、原田芳雄山本晋也竹中労


原田芳雄との対談で、なぜピンク映画はピンクというのか、という議論がある。命名者がわかっていることなのね。知らなかった。

原田 ピンク映画って命名はいいね。ブルーじゃなくてさ。
野上 村井実さんていう評論家の人が付けたんだよ。
原田 けど、あのブルーフィルムって、何でそう言うのかねえ、昔から。
野上 うーん。
原田 何でかなあ。
野上 もともとはシロクロの8ミリだったし、どうして、ブルーと発想したのかな。
原田 ストリップとかで、シロクロったら、男女だろ要するに。
野上 うん。でも、どうなんだろ。
原田 ピンクってのはさ、桃色ってのか、エロティシズムの中でも、こう、ひとつの温度ってのがあるじゃない。
野上 昔、足立正生って人が、その村井さんの首根っこつかまえて、我々独立プロの映画をピンクって言うのは差別だって言ったんだよね。
原田 ただ、ブルーからピンクになったってのがおかしいね。

(同書、pp.43-44)