『LEFT ALONE――持続するニューレフトの「68年革命」』明石書店、2005/02、amazon.co.jp)#0170


2005年02月05日からユーロスペース(渋谷)で公開がはじまった、井土紀州監督作品『LEFT ALONE』のもととなったインタヴュー・対談の記録。映画では採用されなかった部分も含めて活字に起こされている。

絓秀美「映画は共産主義に似ている」
序章 絓秀美「今なぜ「68年革命」なのか」
第1章 松田政男「日共体験・直接行動・第三世界
第2章 西部邁「綱渡りの平衡棒を求めて――ブントからコンサバへ」
第3章 柄谷行人「整体としての革命」
第4章 津村喬「身体の政治性/政治の身体性」
第5章 花咲政之輔「ニューレフトの行方」
上野昂志「『LEFT ALONE』……見返される現在」
丹生谷貴志「物質化された「68年」のロードムーヴィー」
井土紀州「『LEFT ALONE』製作ノート」
年表
索引


予告編や映画をご覧になった方は、この目次を見てなにか足りないことにお気づきだろう。そう、鎌田哲哉氏との対談が収録されていないのだ。


その経緯はつぎのように説明されている。

これは、〔鎌田――引用者註〕氏が編集部の依頼に応じて書いた追記が
他の対談者を批判する内容を含むため、
編集部が本書掲載は不適当と最終的に判断したところ、
鎌田氏から対談の収録自体を事態する、
という申し出があったためである。


というわけで本書は不完全版といわざるを得ない構成になっている。(本文(対談)には「68年? なにそれ?」というわたしのような読者のために、編集部作成による詳細な註が施されておりたいへんありがたいだけにいっそう)。鎌田氏の対談ならびに追記が収録されないことを非常に残念に思う。単独のかたちでもネット上での配布でもかまわないから読めるようにしてくれないだろうか。たとえば、『重力』03号に掲載するとか(と勝手なことばかり言う)。


明石書店
 http://www.akashi.co.jp/home.htm