ポリュビオス『歴史1』(城江良和訳、西洋古典叢書G041、京都学術出版会、2004/12、amazon.co.jp)#0281


西洋古典叢書第III期第8回配本は、ポリュビオス(前200頃-前118年頃)による歴史書。「なぜ半世紀の間にローマが地中海の覇者となることができたのかという問いに答えるべく」著された書物。本邦初訳となる本書は、全4分冊の予定。

人の住むかぎりのほとんど全世界が、いったいどのようにして、そしてどのような国家体制によって、わずか五十三年にも満たない間に征服され、ローマというただひとつの覇権のもとに屈するにいたったのか、史上かつてないこの大事件の真相を知りたいと思わないような愚鈍な人、あるいは怠惰な人がいるだろうか。また何かほかの見世物や学問に夢中になるあまり、この大事件について学び知ることをおろそかにするような人がいるだろうか。

(同書、pp.4-5)


というわけで、第140オリュンピア期(前220年-前216年)からの歴史が説き起こされる(ただし導入部で第129オリュンピア期から第139オリュンピア期の前史が語られる)。


訳者・城江良和(しろえ・よしかず, 1957- )氏の解説によれば、ポリュビオスには本書のほかに四冊の著作が知られているものの、すべて散逸しているとのこと。書名のみを掲げると以下のとおり。


『ピロポイメン』
『戦術論』
『赤道地域の居住性について』
『ヌマンティア戦争』


西洋古典叢書第III期はすでに第9回配本のアリストテレス『動物部分論・動物運動論・動物進行論』(坂下浩司訳)も刊行されている。手にとり次第、ここでもレポートしたい。


京都大学学術出版会 > 西洋古典叢書
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